1981年に神戸で開催され延べ1610万人が来場した神戸ポートアイランド博覧会(愛称:ポートピア’81)。
今、SNS上ではそんなポートピア’81で会場を彩った花壇の現在の姿を撮影しまとめた書籍「ポートピア花壇捜索隊」が話題になっている。
白地に水色のラインが入った特製の花壇は当時1200個以上制作されたそう。それが43年経った今でも現役で兵庫県内を中心に活躍しているというのだ。発行者のTowersさんに話を聞いた。
ーーなぜポートピアの花壇を探そうと?
Towers:2023年春、長田区苅藻通にある西部市場の前で“ポートピア’81”の文字がはっきりと残っている花壇に遭遇したのがきっかけです。
「そういえば色んなところで見たことあるような…」と思い公式記録で調べてみると、当時1215個作られ、閉幕後は神戸市内や兵庫県内の公共施設や公園などに配られたことが判明しました。閉幕から43年経った今、一体いくつ残っていて、どこまで遠くへ運ばれたのかが気になり、興味本位で探し始めることになりました。
ーー捜索はどのように行われましたか?
Towers:Googleマップで公園や公共施設を調べてストリートビューで探したり、花壇がありそうな駅前や住宅街を歩いて捜索したりしています。
ーー発見時の気持ちは?
Towers:とにかく「嬉しい!」の一言ですね。それがストリートビューで予め存在することが分かっている花壇ではなく、まちを歩いている時に偶然遭遇したものだと喜びもひとしおです。「この辺にはもうないのかな」と思っていると、意外な所に潜んでいたりするので、諦めずに探してみてほしいです。
ーー500個も現存していることに驚きました。
Towers:正直500個を突破すると思っていなかったので本当に嬉しいです。明石以西の加古川や姫路ではまだ発見されていないのですが、どこかに潜んでいそうな気がするので、近いうち発見数600個を超えるのではないかと思います!
ーー発見した花壇の中で印象的なものは?
Towers:一番衝撃的だったのは、朝来市の山奥で発見された花壇です。出石糸井県立自然公園 管理棟という所で、ポートピアの会場から直線距離にして85kmの場所。状態はボロボロでしたが、かすかに残る”ポートピア’81”の文字を見た時は、遺跡を発掘したかのようなワクワクと感動がありました。
ーー今後の展望は?
Towers:最近は花壇が置かれている場所の改修工事などで撤去されるケースが増えてきているので、可能な限り早めに写真撮影に向かい、次の号で記録として残せるようにしたいと思っています。また55年ぶりとなる大阪万博の開催にあわせて、来年ポートピア関連の展示イベントを行う予定なので、ぜひ遊びに来てください!
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SNSには「神戸の街歩きが楽しくなる」「前人未踏の地で見つけたい」「神戸育ちなら既視感ある」などの反響が寄せられた。
書籍は好評につき今年10月に続編となる『ポートピア花壇捜索隊 No.2』が発刊。ペーパークラフトも付属しているので、ご興味ある方はぜひ手に取っていただきたい。
(よろず~ニュース特約・ゆきほ)