国民民主党の榛葉(しんば)賀津也幹事長(57)が15日、国会内の定例会見で、自らがファンという歌手で芸人のタブレット純(50)を例に出し「我々もずっと、タブレット純だったんですよ」として、「国民民主党=タブレット純」説を唱えた。
記者団から、国民民主党が主張する「103万円の壁」の引き上げやガソリン減税について、政府与党側が財源論を持ち出しけん制していることを問われ「財源論の前に、国民の生存権です。これは絶対遵守しなきゃいけないんですよ。財源があるからやる、ないからやらないという…だからやめろという論調ですけれど、税収は上振れてますよ。使い切れていない税金が一昨年は11兆、そして(昨年は)7兆ですよ」と訴えた。
榛葉氏は「ここ数年が大事なんですよ。またデフレに戻っちゃいますよ。やはりエンジン吹かせて、好循環のアクセルを回していくと。景気が良くなれば消費税も伸び、事業税も伸び、税収は増えるわけですから」と強調した。
与党が過半数割れし、国民民主党が躍進した衆院選の結果を受けた榛葉氏は「最初から、これだけ減税になるからやるなと。これでは国民は…選挙で結果出ているわけだから。しっかりとやっていきたいし、まずそういう姿勢で私は臨んでいくべきだと思いますし、ぜひ前向きに。ブレーキを使う交渉ではなくて、ともに着地点を見い出す交渉をしていただきたいと思う。ガソリン税が増える、電気代も上がる物価が上がる。やっぱり国民の悲鳴ですよ」と、姿勢を明らかにした。
榛葉氏は、衆院選で画期的だったこととして「今まで選挙に行っていなかった10代20代の学生や、中小企業の経営者や店長さんが、なんとかこの壁(103万円の壁)を突破してくれ、よく政治がこの問題に気がついて、よくやってくれたと。相手を非難せずに、地味かもしれないけど、103万円の壁やガソリン減税を愚直に訴えて、政策で選挙行動が変わったんですね…投票行動が。久しぶりじゃないですか」と指摘した。
公示前の4倍、28議席に増やした国民民主党の訴えを「右や左に大きく振れてエッジをきかせて、極端なことを言って注目を浴びる政党もありますけれども、ど真ん中の政策を愚直に訴えて、政策で国民が投票に行き、これをやってくれという結果が出た」と振り返った。
榛葉氏は「たまさか、与党が過半数割れということで、ある意味国民にとってみたら、ぜひやって欲しいという期待が上がるのは当然。ここで国民の期待を裏切ったら、我々国民民主党にばっかりではなくて、日本の政治にがっかりする」と語気を強めた。
キャスティングボートを握り、脚光を浴びる国民民主党。「自民党さんや公明党さん、財務省さんや総務省さんを、敵だと思ってません。ともに国民生活を向上させていくと。そして、財源もないがしろにせず、どこで着地点を見い出すかという当たり前の議論をしっかりとやっていきたい」と熱弁した。
ここまで国民民主党を語る上で「愚直」「地味」「ど真ん中」というキーワードを出していた榛葉氏は「まあね…我々もずっとね、タブレット純だったんですよ。全然売れずに。タブレット純の支援者は、タブレット純に売れて欲しくないんだから。タブレット純も『人気が出なくていい』って。それが一気にですね、ここまで来たんだから。しっかりと頑張っていきたい」と、ムード歌謡漫談の第一人者としても知られるマニアック芸人に党の姿を重ねた。
榛葉氏は、新しい学校のリーダーズや講談師の神田伯山(41)のファンを公言しているが「タブレット純好きなんですよ。昭和歌謡いいね。純様のファンは、タブレット純に人気出て欲しくないかもしれませんが、国民民主党ファンは国民民主党に人気出て欲しいと思いますよ」と締めくくった。
(よろず~ニュース・杉田 康人)