デビュー50 周年を迎えた⼥優・歌⼿の島⽥歌穂が20⽇、⾃⾝初のディズニー公式カバーアルバム「島⽥歌穂・シングス・ディズニー」をリリースする。島田に新作への思いなどを聞いた。
ディズニーファンから愛されるクリスマスの名曲を新たなアレンジで録⾳した「ウェルカム・トゥ・クリスマス(2024)」をはじめ、自身が出演したミュージカル「メリー・ポピンズ」から「⿃に餌を」など、⽇本版声優として参加した実写映画「美⼥と野獣」の代表曲、ミュージカル俳優・井上芳雄とのデュエット曲「輝く未来」、ディズニー100 周年記念作品として昨年公開された「ウィッシュ」の楽曲、「アナと雪の⼥王」から「レット・イット・ゴー」や「ピノキオ」から「星に願いを」といったスタンダードナンバーなど全13曲を収録。歌詞は英語と日本語を半分ずつ歌い分けた。
父は音楽家、母は宝塚歌劇団出身のジャズ歌手。「ジャズが私の子守歌代わりだった」。幼い頃から家庭には音楽があふれていた。
1974年に特撮テレビドラマ「がんばれ!!ロボコン」のヒロイン・ロビンちゃん役でデビュー。82年にミュージカル「シンデレラ」で初舞台を踏み、87年にはミュージカル「レ・ミゼラブル」のエポニーヌ役で脚光を浴びた。同作は01年までのロングラン公演となり、出演回数は1000回を超え、日本の女優として初めて英国王室主催の御前コンサートにも出演。そして節目の年に「ディズニーの世界」と向き合った。
「『星に願いを』をはじめ、ディズニー作品の名曲には幼い頃から触れてきましたし、コンサートでも歌わせていただき、映画の吹き替えなどご縁もありました。50周年を迎えるに当たって、ディズニーのカバーアルバムを作らせていただけたらこんなうれしいことはないと思い、ドキドキしながらご相談させていただいたところ、やりましょうと。本当に夢がかないました」
全曲のアレンジとサウンドプロデュースはピアニストで作曲・編曲家の島健が担当。94年に結婚した夫で、公私にわたるパートナーとして活動を共にしている。
「夫も幼い頃から筋金入りのディズニーファンで、音楽家になろうと思ったのもディズニーの『ファンタジア』という映画を見たのがきっかけだったと幼少期の原点を語っています。企画段階から一緒に話し合ってアレンジも決めていきました。ジャズテイストだけでなく、クラシカルだったり、ポップな曲もあります」
今作のために特別に描き下ろされたジャケットでは、手前の客席にミッキーマウスとミニーマウスが並び、奥のステージのマイクスタンドとピアノの前は無人。〝主役〟の登場を待つ開演前の緊張感とワクワク感にあふれたイラストだ。島田は「これから始まるぞというところですね。皆さんにもミッキーとミニーと一緒に聴いていただきたいです」と思いを込めた。
10月の東京に続き、今月は九州で23日から28日まで、熊本、宮崎、福岡(2回)、佐賀を回る5公演のデビュー50周年コンサートツアーを開催。一方、12月6日まで上演されるミュージカル「プロデューサーズ」(東京・東急シアターオーブ)にも友近とのダブルキャストで出演中。今年の締めくくりは島とのクリスマス・デュオコンサートで、12月に都内で2公演を行う。島田は「結婚してすぐに始めたデュオとして活動30周年。もちろん、今回のアルバムの中からも数曲やらせていただきます」と意欲を示した。
メモリアルイヤーのラスト、多忙な日々が続く。島田は「これも通過点。使命をいただける限り、ステージに立ち続けて表現できる自分でありたいと思っています」と前を向いた。
(デイリースポーツ/よろず~ニュース・北村 泰介)