動画配信やライブ配信の世界に、新たな風が吹き込まれた。2024年10月28日、Steam版「カラオケJOYSOUND for STREAMER」がリリースされ、配信者たちの間で大きな話題を呼んでいる。このサービスの最大の特徴は、搭載されている楽曲がすべて配信で使用可能という点だ。
これまで、多くの配信者が楽曲使用に関して悩まされてきた背景には、複雑な著作権の問題がある。音楽には、作詞家、作曲家、アーティスト、レコード会社など、多くの権利者が存在する。配信で楽曲を使用する場合、これらすべての権利者から許諾を得る必要があり、個人で対応するのは事実上不可能だった。
著作権侵害を避けるために、多くの配信プラットフォームは楽曲の使用を制限してきた。違反した場合、動画の削除やアカウントの停止などのペナルティが課されることもある。その問題に一石を投じたのが「カラオケJOYSOUND for STREAMER」だ。3万曲以上の楽曲が登録されており、毎月100曲の追加配信が予定されている。採点機能を使って配信を盛り上げることも可能だ。
ゲーム本体は無料でダウンロードでき、一部無料楽曲も搭載されている。30日間の利用料金は、趣味での配信向けのBasicプランが3,500円(税込)、本格的な配信向けのProプラン10,000円(税込)となっている。
操作画面はいたってシンプルだ。画面が立ち上がると「曲を探す」もしくは「無料曲」を選んで、その中から歌いたい曲を選ぶ。筆者がゲームを利用した時は無料曲に「故郷(ふるさと)」や「ソーラン節」などが並んでいた。
「曲を探す」を選ぶと検索窓が表示され、ここにキーワードを入力すると、当てはまる曲名やアーティストが表示される。一般的なカラオケでの曲検索をイメージしている人からすると、機能が不足していると感じられるかもしれない。まだ登場したばかりのゲームなので、今後の改善を期待したい。
利用者からは「これまで音源探しに苦労していたのが解決できて嬉しい」といった声があがる一方「何の曲があるのか事前にわからない」などの改善を求める声も見られた。
「カラオケJOYSOUND for STREAMER」は、配信者たちに新たな表現の扉を開いた。これまで音楽使用の制限に悩まされてきた配信者にとって、このサービスは大きな福音となるだろう。
もちろんユーザーが指摘するように改善点はまだまだ残されている。ただ、このサービスは単に楽曲を自由に使えるようになっただけでなく、配信者と視聴者、そして音楽をつなぐ新たなプラットフォームとしての可能性を示しているのではないか。
音楽を通じたコミュニケーションの輪が広がれば、新たな才能の発掘や音楽文化の発展につながるだろう。「カラオケJOYSOUND for STREAMER」は、配信文化と音楽文化の融合を促し、新たなエンターテイメントを切り開く可能性を秘めているのではないだろうか。
(よろず〜ニュース特約ライター・夢書房)