“NewJeansの母”であるアドア(ADOR)のミン・ヒジン元代表が20日、社内取締役を辞任したことを電撃発表。現在、ミン氏が保有する1000億ウォン(約100億円)規模の、アドア株式のプットオプション(株式売却請求権)権利に関心が集まっている。
ミン氏は同日「(アドア親会社である)HYBE(ハイブ)と締結した株主間契約を解除し、HYBEに株式間契約違反事項に対する、法的な責任を追及する」「さらに、HYBEとその関係者多数の違法に対して、必要な法的措置を一つ一つ進める予定だ」と公式声明を発表した。その後アドアは、「ミン・ヒジン取締役の、一方的な辞任通知について、残念に思う」「NewJeansがより大きく成長し、発展できるよう最善を尽くし支援する」と公式にコメントを出した。
ミン氏は2023年初め、代表取締役当時にHYBEとアドアの株式間契約を締結。同社の所属ガールズグループであるNewJeansの成功につながった。この契約には、ミン代表が保有するアドア持分18%のうち、13%をHYBEに買い戻す権利、つまりプットオプションが核心内容として含まれている。ミン氏が来年、プットオプションを行使すれば、その価格は約1000億ウォンだという。現在アドアの最大株主は、持分80%を保有しているHYBEであり、ミン前代表は2大株主(18%)だ。
HYBEは去る7月、「NewJeansを奪おうとした」として、ミン前代表にアドアの株主間契約解除を通知。ミン氏の、アドア経営権乗っ取り疑惑を提起した。これに対して、ミン代表は「NewJeansの成功を導いたのに、HYBEが“経営権奪取”という奇っ怪なフレームを被せて、魔女狩りをしている」と反発、株主間契約解除も受け入れなかった。するとHYBEは、裁判所に「株主間契約解除の訴え」を起こす。現在まで、裁判所の決定は出ていない状態である。
そんな中ミン・ヒジン氏が、電撃的にHYBEのアドアの株主間契約解除を受け入れたのだった。
ミン前代表がアドアを離れたと同時に、NewJeansの今後にも注目が集まっている。NewJeansは13日、所属事務所アドアに対し「専属契約の、重大な違反事項を是正してほしい」という要求を盛り込んだ、内容証明を送付。14日以内に回答しなければ、契約を解約すると宣言した。
法曹界の関係者は「アーティストは通常、所属事務所に専属契約の重大な違反事項に属する可能性がある部分を伝達し、これを改善する期間を与える」として「今度、所属事務所がきちんと返答せずに対応しなければ、専属契約解約訴訟または専属契約効力禁止仮処分などを提起するだろう」と話した。
(よろず~ニュース・椎 美雪)