漫才コンビ・囲碁将棋の文田大介と根建太一がこのほど、大阪市内でよろず~ニュースの取材に応じた。コンビを組んで20年。単独ライブ2024「曼珠沙華(まんじゅしゃげ)」を12月1日に大阪・なんばグランド花月、12月28日に東京・ルミネtheよしもとで開催するなど、舞台、テレビ、ラジオで精力的に活動している。印象的な出来事、これからの目標などについて語った。
文田は2010年の「M-1グランプリ」準決勝が忘れないという。「めちゃくちゃウケて、絶対に決勝に行ったなと思って親にも電話して…。周りもそんな空気で。それで行けなかったので」。決勝に行ったメンバーを忸怩(じくじ)たる思いで見ていた。「今思えば、ちょっと下ネタだったりとか、選ばれない理由はありますけど…。(決勝の)ココとココよりはウケたなとかも、当時はありましたけど、今となってはどっちでもよかったというのはありますよね」。ただ、準決勝での爆発的なウケ方は今も鮮明に覚えている。
「M-1グランプリ」はNSC在学中からラストイヤーの2019年まで、昨年からスタートした結成16年以上の漫才師が挑戦できる「THE SECOND」には2年連続で出場。賞レースには積極的に参加するが、優勝に対する意識や執念はあまりない。文田は「割とお祭り感覚で。優勝しなきゃ生き残れないとか、ほかのヤツに勝ちたいとか、そんな感じではやっていなくて、ライブとかで応援してくれるお客さんのために出ている感じです」、根建も「出るかには優勝したいですけど、それが全てじゃないみたいな」とあくまで自然体だ。
「THE SECOND」には思いがある。文田は「作った人にはリスペクトがあって、僕らと似たようなキャリアの人に誰かしらチャンスがあるじゃないですか。辞めなくて済んだって人も出てくると思うので、そういう大会は続いた方がいいと思います」と力を込めれば、根建も「すごい大会ですよね、やっぱ」とうなずいた。
2018年から埼玉・大宮ラクーンよしもと劇場を中心に活動するお笑い芸人のユニット「大宮セブン」に加入。もともと同劇場に頻繁に出演していた縁もあった。当初は東京の劇場に出られない芸人が、ここを飛び出して行くというユニットだったが、今や人気、知名度は高い。なんばグランド花月で開催された大宮セブンのライブツアーは、立ち見が出るほどの盛況ぶりだった。
現在のメンバーは囲碁将棋の他に、マヂカルラブリー、GAG、すゑひろがりず、タモンズ、ジェラードン。文田は「(2020年M-1グランプリで)マヂカルラブリーが優勝したときに、みんなが抜けると思ったんですけど、『一生抜けない』と言ったので、他は抜けられなくなった」と言いながらも「全然、抜けたいとは思わないですし、楽しいです」と居心地の良さを感じている。根建も「僕らはしがみついているだけなので。おこぼれももらえるので」と冗談っぽく笑った。
文田は昨年、自宅があった建物を自宅裏のアパートの解体工事と間違えられて解体された。「去年の8月くらい。帰ったらびっくりしました。ウソだろーって」と振り返った。家族と住んでいた3階部分はバールでドアが壊された程度だったが、無人だった2階は思い切り壊され、1階部分の工務店も被害にあったそうだ。「すぐに引っ越しはできました。不動産屋に電話をしたら、保険屋が間に入っているのでと言われたので、連絡したら、いくらかかったのか金額を出してくださいと。100万円を請求している段階です」と現在も補償の交渉中。テレビの番組で明かしたことはあったが、漫才のネタにはしておらず、「ネタにするには説明する部分が長いので…。でも考えてみようかな」と思案していた。
今後の目標として、根建は「単独ライブを毎年やれたら。お客さんが来てくれないとやれないので。理想は60歳まで毎年やって、ネタの感じも変わってなかたったらいいなあと思います」と将来像を描き、「あとはスポーツがめっちゃ好きなので、千鳥さんや(くりぃむしちゅー)上田さんや千鳥さんみたいにスポーツ番組をやってみたいですね。メジャーリーグやヨーロッパのサッカーを取材できたら最高じゃないですか」と目を輝かせた。
文田も「新規のお客さんが増えながら、今、応援してくれている人が20、30年後も残ってくれていたら。そういう人たちが飽きないような活動ができたらいいなあと」と先を見据えながら、「国民的アニメの中に自分のキャラクターで声優として出ることを、1個のゴールにしています。知名度や好感度などいろんなものがそろわないとできないじゃないですか」と掲げていた。
◆囲碁将棋 神奈川県出身で高校・大学の同級生だったNSC東京校9期生の文田大介(ふみた・だいすけ、43)と根建太一(ねだて・たいち、44)が2004年4月に結成。神奈川県住みます芸人、大宮セブンのメンバー。舞台、テレビ、ラジオなどで活躍中。
(よろず~ニュース・中江 寿)