小さな子どもの行動は微笑ましく思えることが多く、温かい目で見守るのが大人の務めといえるだろう。しかし、時には子どもの言動がきっかけになって大人が考えさせられることも。漫画家の福星英春さんが手がけた『幼稚園児と資本主義』は、子どもの遊びを通して世の中の仕組みを学べる作品となっている。
同作は、福星さんのX(旧Twitter)やTikTokにアップされている『ハードボイルド園児 宇宙くん』の第66話にあたるエピソード。主人公で幼稚園児の「染谷宇宙(そめやこすも)」が、“お店屋さんごっこ”で無双する様子が描かれ、注目した読者から約7000件もの「いいね」が寄せられている。
ある日、幼稚園では園児に社会のしくみを知ってもらうため、架空の通貨と自作の商品を使った遊びを始める。多くの園児が遊びとして楽しんでいる中、宇宙だけは「小売店雇われ店長の労働者階級(プロレタリア)ボーイ……今のところはな」「小売商で儲ける基本は安く買って高く売る事だ」と本気で取り組んでいる様子。自身の目利きを頼りに、園児が販売する商品を吟味していくのだった…。
遊びとはいえ資本主義の荒波にもまれた宇宙に対し、読者からは「ハイパーインフレで心折れてるの笑った」「普通に勉強になりました」など好評の声が続出。そこで作者である福星さんに同作を描いたきっかけについて話を聞いた。
―『ハードボイルド園児 宇宙くん』を描いたきっかけを教えてください。
一番最初は、10年以上前にヤングジャンプの読み切りとして描きました。きっかけは忘れましたが当時いろいろ描いてたネームのうちの1個です。
―資本主義の縮図を表現したような『幼稚園児と資本主義』の物語が誕生した経緯を教えてください。
全然覚えてなくて、忙しく連載してる中の1話ってだけですね。
―読者に向けてメッセージをお願いいたします。
紙の単行本は絶版してるので、暇だったらXかTikTokでも見てください。どっちも「ハードボイルド園児」で検索すれば出てくると思います。
(よろず~ニュース特約・カキMONO.1)