クジラが”遠距離恋愛”の類(たぐい)をしているという説が出てきた。北極海におけるホッキョククジラの一見ランダムな動きを調査したところ、最大60マイル(約97キロ)離れたところにいる仲間とのダイビングをシンクロしていることが明らかになった。
グリーンランド西部でタグを付けた12頭のクジラの144日分の潜水記録を分析。2頭が同時に潜水を行っていることが判明し、この2頭のクジラ(1頭はメス、もう1頭は性別不明)は時には数百キロも離れ離れだったにも関わらず、最長で1週間も潜水の時間を合わせる結果となった。
北海道大学の北極域研究センターのエヴゲニ・ポドリスキ准教授は「音響的に繋がっているクジラが単独で潜水しているように見えて実は一緒に行動していたことには驚かされます」は話した。
今回の研究で、クジラは互いの音が届く範囲にいたものの、研究チームは技術的な問題でクジラの鳴き声を録音することはできなかった。