業界最大級の老人ホーム・介護施設検索サイト「LIFULL 介護」はこのほど、介護に関するテーマへの注目が集まる2025年に際して、「介護施設入居実態調査 2025」を実施。直近1年以内に介護施設、高齢者住宅に入居した家族、親族がいる1873人を対象に行った介護施設の入居に関わる「入居のきっかけ」の調査結果について公表した。
近しい家族、親族が老人ホームに入居したきっかけで、最も多かったのは「入院して自宅復帰が難しかった」で35.4%。次いで「自宅で介護を受けていたが継続が難しくなった」が30.0%、「一人暮らしの継続が難しくなった」が25.4%と続いた。過去の同調査でも、入院をきっかけに要介護認定の申請を行ったケースや要介護度が重くなったケースは多いとしている。
入居前に自宅で介護を受けていた期間については、1年に満たない人が合計で46.8%とおよそ半数いることが判明。また、その中には自宅で介護をしていた期間がない人も10.2%いた。今回の調査では、様々なケースが考えられるが、入居のきっかけに入院が多いことを踏まえると、元気だった人が急病で倒れ、入院を経て介護施設への入居が必要になるケースも一定数あるとみている。
入居した時の要介護度と年齢を聞いたところ、年齢のボリュームゾーンは80代で31.8%。要介護度で最も多かったのは要介護2で19.3%となった。今回の調査では「自立(介護認定なし)」から「要介護2」までを合わせると67.8%となっており、公的な介護施設である特別養護老人ホーム(特養)の入居条件である要介護3以上に満たない人が入居の過半数を占めている。
また、入居時の要介護度を前回調査と比較すると、要介護2までに入居した人が増えており、介護度が低いうちから入居を必要とする傾向が、より強まっているようだった。
介護認定なしの人に限定して入居のきっかけの内訳を見てみたところ、最も多かったのは「一人暮らしの継続が難しくなった」(27.8%)で、次いで多かったのは「自宅での介護を受けていたが継続が難しくなった」(24.7%)。介護認定を受けていないものの、移動や買い物、食事など、家族の支援の度合いが徐々に大きくなっていき、認定を受けないまま自宅での生活が難しくなり、入居を決めるケースなどが含まれる。さらに「自立状態で生活できたが将来を考えて」も13.4%を占めた。
同調査では軽介護度でも入居するケースが増加したことを踏まえると、老人ホームは「自宅で過ごせるギリギリまで頑張ったのちにやむなく入居するもの」から「少しでも不安に感じたらすぐに入居するもの」として変化していく可能性があるとし、自立の人向けの介護施設が近年続々とオープンしていることも、この流れを裏付けていると言えるとしている。
(よろず~調査班【ライフ】)