テレビ番組の制作現場で演者のために用意されている「ロケ弁当」。このロケ弁当にフォーカスを当てた初めての作品『ロケ弁の女王』(原作:のやまあき、演出:つのだふむ、作画:サエグサケイ)の第23話にあたる話が、以前X(旧Twitter)に投稿されると、多くの人から注目を集めている。
同作の特徴は、実際に存在する名店のお弁当を各回で取り上げているところだ。また、ドラマ撮影の現場において主人公で新人の制作進行「俵米子(たわらよねこ)」がロケ弁だけでなく、ロケ地の手配などに奔走する様子が描かれている。そこで同作の演出担当であるつのださんと、作画担当のサエグサさんに話を聞いた。
―同作を描いたきっかけを教えてください。
つのだふむ:テレビの現場で働いている原作者・のやまさんから、コルクにマンガ化の企画が持ち込まれたのですが、僕はマンガ家になる前、映像制作会社に勤めていて、ロケ弁もたくさん食べていたので「描きたい!」と思い手を挙げました。
―ネーム、作画と担当が分かれていますが、分業していて特に気を付けたことを教えてください。
つのだふむ:実在するお弁当に光を当てるので、「お弁当に込められた物語」をこのマンガを通して読者に伝えたいなと思い、ロケ弁ひとつひとつをしっかり取材しました。作画のサエグサさんや、このマンガに関わるスタッフみんなで食べて、お弁当への解像度や目線を揃えることを大切にしました。
サエグサケイ:私は何よりも「お弁当を美味しそうに描く」ことに全力を注ぎました。実際にお弁当を参考にしつつ、さらに美味しそうに見えるように具材の配置や色味を工夫しました。特にカラーについては、一流のカラーリングチームにお願いしていて、具材の色合いや質感を研究し、リアルなお弁当を超えるほどの完成度に仕上げています。
―読者にメッセージをお願いいたします。
つのだふむ:『ロケ弁の女王』を通じて、忙しい日々の中でこそ「ご飯を味わう時間」の大切さを感じてもらえたら嬉しいです。
それと主人公・米子のお弁当選びへのこだわりや成長を通じて、「どんな仕事でも取り組み方次第で面白くなるのかも」と思ってもらえたら、さらに嬉しいです。ぜひ、米子と一緒にロケ弁の物語を楽しんでください!
サエグサケイ:『ロケ弁の女王』を読んでいただき、ありがとうございます! この作品を描いていた当時は、夢中で走り続けるように作画をしていましたが、今改めて読み返しても「仕事に対する姿勢」や「学び」を得られる作品だと感じています。また、Amazon Fliptoonで、今なら全話無料公開中です!
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