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「生え際は後退して、光りだす」ノゾエ征爾「劇団はえぎわ」25周年公演 ポスターは松尾スズキに“強制”

よろず~ニュース 2025年2月9日 19時36分

 脚本家・演出家・俳優という、3つの顔を持つノゾエ征爾(せいじ)が主宰を務める「劇団はえぎわ」が、立ち上げから25周年を迎えて記念公演「幸子というんだほんとはね」(第35回下北沢演劇祭参加作品)を上演、初めて本多劇場の舞台に立つ。劇団員に加え、6人のゲスト俳優とともに渾身の「嘆きの喜劇」を展開、本作のチラシはノゾエの師匠であり、「大人計画」主宰の松尾スズキが手がけている。

  2月26日からの公演を前に、ノゾエがコメントを寄せた。

  ◇  ◇

 25周年です。開演時に4人だったお客さんが、終演時に3人になっていたのが昨日のことのように感じる。結果的にヒワイで満ちていたあの作品やこの作品が昨日のように感じる。舞台セットを破壊する作品をやりたくて赤字覚悟の1ステ公演をやったら目も当てられない赤字だったのが昨日のように感じる。ああ、どれも昨日のことでよかった。

 そんな昨日を積み重ねて、気がつけば25年。松尾スズキさんが少し前に「はえぎわのチラシを描きたい」と言ってくださった。そのうっかりだったかもしれない発言を半ば脅し文句的にイラストをお願いした。師匠になんてことをと窓に手をつき遠くを眺めた。醜い人間について書きたいと思った。ともかく感謝なのだ。感謝の一言に尽きる25年なのです。生え際は後退する。後退して、光りだす。今はどの段階だろうか。劇団初の本多劇場。はえぎわ渾身の“嘆きの喜劇”とエコ演劇。エゴについての物語。こんなタイトルで行こうと思います。

  ◇  ◇

<はえぎわ 25周年 第35回下北沢演劇祭参加作品「幸子というんだほんとはね」>

  その日、シモキタザワで目撃したものとは?図らずも手を繋ぎ、手が離れなくなった青年と婦人。とある主夫は、理不尽な事故に巻き込まれ、事故を起こした労働者は、不運を嘆く。涙にくれる女性は、奇妙なノートを拾い、売れっこ絵本作家は「幸せ」についてインタビューを進める。一見何のつながりもないように見える人々と、不思議な巡り合わせ。この町特有の磁場のような何かが、彼らを一つにしていく。愛とは?幸せとは?人はどうにも、変身する生き物のようだ…。

 はえぎわ25周年を記念するヒューマンエンターテインメント。渾身の「嘆きの喜劇」となっている。 

公演日程:2025年2月26日(水)〜3月2日(日)

会場:下北沢 本多劇場(世田谷区北沢2-10-15)

脚本・演出:ノゾエ征爾

出演:町田水城、竹口龍茶、踊り子あり、鳥島明、富川一人、山口航太、ノゾエ征爾

串田十二夜、山本圭祐、東野良平、柴田鷹雄 / 笠木泉、高田聖子

(よろず~ニュース編集部)

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