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ミキハウスグループ代表・木村 皓一の「世界の子供に笑顔と安心を!」(第23回)

財界オンライン 2021年10月19日 15時0分

都市対抗野球大会に16年ぶり2度目の出場

 スポーツ選手の支援でも知られるミキハウス。『TOKYO2020』の東京五輪(2021年夏開催)でも、ミキハウスで育った様々な競技の選手たちが活躍した。

「スポーツ選手の活躍は人々に感動を与えてくれますからね」

こう木村が話すように、世界の舞台で技や能力を競い合うアスリートたちの姿は人々に感動を与える。

 その木村に、また朗報が飛び込んできた。

 ミキハウス野球部が9月23日に行われた第92回都市対抗野球大会近畿地区第2次予選を勝ち抜き、第2代表決定戦で勝利をおさめたのである。

 2005年に初めて都市対抗野球に出場して以来、16年ぶり2度目の出場。会社の創業50周年という記念すべき年での快挙である。

 同社野球部のメンバーは高校や大学の野球で実績をあげた選手が少なくない。さらに腕を磨き、プロ野球で活躍したいという夢を持つ選手もいる。

 しかし、メンバーはただ野球部活動に精を出しているだけではない。ミキハウスの大事な業務の1つ、物流業務に従事しながら、野球に打ち込む日々。つまり、普段仕事をきっちりやりながらの野球部活動である。

「このコロナ禍でも、社内ではコミュニケーションを大事にしてきました。昨年の4月から6月にかけては週に2回、社内で自由参加の食事会をやり続けました。一番多い時の参加人数は130人、馴染みの鮨屋さんの鰻弁当、スーパーで買ってくるトマト、デザートの果物とチョコレート、それにビールやワインの飲み物代は全てわたしのポケットマネーです。そこに野球部の選手たちも交代で参加し続けてくれました。その後も、月1回の食事会は続き、社員と野球部の交流も生まれましてね。10月の会では、社員全員で野球部の報告会で盛り上がりました。野球部を応援する機運もより高まったと思っています」

 社内のコミュニケーションがいかに大事か――。経営を担い、経営を支えるのは人である。その人と人がコミュニケーションを計ることで社内の融和が進み、人材の掘り起こしにもつながっていく。

 野球部が都市対抗野球への出場を決められたのも、社内全体が選手を応援し、これに応える形で野球部選手が発奮したことも勝因の1つと言えよう。

ミキハウスグループ代表・木村 皓一の「世界の子供に笑顔と安心を!」(第22回)



選手たちへの激励と感謝をもって
 

 都市対抗出場を決める近畿地区第2次予選の第2代表決定戦でホームランを打って、チームに勢いを付けた堅田啓太郎選手(センター)も社内食事会によく参加した選手の1人。

「ええ、コロナ危機前、インバウンド客で忙しかった大阪・天王寺の百貨店のショップやバックヤードの応援にも出かけてくれて、女性スタッフにも人気だったと聞いています。また、エース右腕の栗山拓巳投手も食事会の際に、『今年こそは皆さんを東京ドーム(都市対抗の主催地)に連れていきたい』と言ってくれていましたからね。それに継投の高橋康平投手は今季、他社からの移籍組で、野球が続けられることへの感謝を結果で返したいと言ってくれていました。野球の活動時だけでなく、普段の物流業務に打ち込みながら、社会人としての心構えを若い選手に伝えてくれていました」

 スポーツ選手の向上心・自己鍛錬や自律的な生き方は会社全体にもいい影響を与えてくれているという木村の認識。

 そして、こうした選手1人ひとりの才能を伸ばし、チームを引率してくれた陣田匡人(まさと)監督にも、木村は次のように謝意と労いの言葉をかける。

 陣田監督は16年前、都市対抗大会に初出場した際、右翼手として出場した経験を持つ。

「陣田監督は、うちの若くて勢いのある選手たちをよくまとめて、全国大会への出場に導いてくれました。今年は会社の創業50周年だから、と例年以上に出場への思いが強く、選手たちを1つにまとめてくれました」

 この稿を書いているのは、2021年10月上旬。第92回都市対抗野球大会は11月28日から12日間にわたって、東京ドームで開催される予定。

 木村は、「会社が勢いよく進むためには、さまざまな力が必要。特に、いい”気”を呼び込むことが重要です」と会社経営の要諦を語り、次の言葉を付け加える。

「東京五輪で盛り上がった創業50周年のこの記念の年に、全国大会への出場を決めてくれた選手たちへの激励と感謝をもって、東京ドームでの晴れ姿を、そしてドームでの初勝利を見届けたいと思っています」

(敬称略、以下次号)

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