トヨタ自動車が米国での電動化戦略に本腰を入れる。同社は2030年までに電気自動車(EV)を含む米国での車載電池生産に約3800億円を投資。北米事業を担う子会社と豊田通商が新会社を設立し、まずは25年からハイブリッド車(HV)用の電池生産を始め、その後のEV用の生産も視野に入れる。
トヨタは既に30年までに電池の開発や生産に1兆5000億円を投じると発表していたが、今回の米国への投資もその一環で、土地や建物も含めた投資額は31年までに約1430億円となる見込み。拠点や生産能力などは今後詰めていく。
トヨタが米国に電池の生産拠点を設けるのは初のことであり、パナソニックとの共同出資子会社以外で電池の自社工場を設けるのも初めて。その背景にはクルマの開発のみならず、「電池の開発も”手の内化”する」(関係者)という狙いがある。
これまでトヨタが車両とエンジンの両方を開発して乗り心地や燃費を改善してきたように、EVでも車両とバッテリーを擦り合わせることによって電費を向上させるためには「電池も理解しなければならない」(同)
この手の内化については、執行役員の前田昌彦氏は「車両と電池の両輪がトヨタの強みだ」と語っている。EVにとって電池は最重要部品。しかし、現状では航続距離や充電時間、EV車両のコストのうち3~4割を占めるといった課題が横たわる。
トヨタは1997年にHVの初代「プリウス」を発売して以降、電池を内製化。「内製ノウハウやデータを生かして車両と電池を一体開発すれば、これらの性能を高次元でバランスできる」(前田氏)と見ているわけだ。
一方で、トヨタの電池戦略は世界各地で最適生産をするというものだ。中国ではCATLやBYD、日本では東芝やGSユアサと電池メーカーとの協業を進めているが、米国には有力な候補がいなかった模様。だが、トヨタにとって販売台数と営業利益の約3割を占める米国でもバイデン政権が進める電動化に対応しなければならない。そこで自前の工場建設に至った。
ただ、「米国政府主導で爆発的にEVが増えるのか、そこを見極めなければならない。どの電動車が良いかは消費者が選ぶもの」とトヨタ関係者。電動化への転換期にある中。今回の電池工場建設はトヨタの現実路線の現れと言える。
【トヨタ】「ウーブン・シティ」が示唆する次世代事業
トヨタは既に30年までに電池の開発や生産に1兆5000億円を投じると発表していたが、今回の米国への投資もその一環で、土地や建物も含めた投資額は31年までに約1430億円となる見込み。拠点や生産能力などは今後詰めていく。
トヨタが米国に電池の生産拠点を設けるのは初のことであり、パナソニックとの共同出資子会社以外で電池の自社工場を設けるのも初めて。その背景にはクルマの開発のみならず、「電池の開発も”手の内化”する」(関係者)という狙いがある。
これまでトヨタが車両とエンジンの両方を開発して乗り心地や燃費を改善してきたように、EVでも車両とバッテリーを擦り合わせることによって電費を向上させるためには「電池も理解しなければならない」(同)
この手の内化については、執行役員の前田昌彦氏は「車両と電池の両輪がトヨタの強みだ」と語っている。EVにとって電池は最重要部品。しかし、現状では航続距離や充電時間、EV車両のコストのうち3~4割を占めるといった課題が横たわる。
トヨタは1997年にHVの初代「プリウス」を発売して以降、電池を内製化。「内製ノウハウやデータを生かして車両と電池を一体開発すれば、これらの性能を高次元でバランスできる」(前田氏)と見ているわけだ。
一方で、トヨタの電池戦略は世界各地で最適生産をするというものだ。中国ではCATLやBYD、日本では東芝やGSユアサと電池メーカーとの協業を進めているが、米国には有力な候補がいなかった模様。だが、トヨタにとって販売台数と営業利益の約3割を占める米国でもバイデン政権が進める電動化に対応しなければならない。そこで自前の工場建設に至った。
ただ、「米国政府主導で爆発的にEVが増えるのか、そこを見極めなければならない。どの電動車が良いかは消費者が選ぶもの」とトヨタ関係者。電動化への転換期にある中。今回の電池工場建設はトヨタの現実路線の現れと言える。
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