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【JAL】2025年度の大阪での実用化へ向けて「空飛ぶクルマ」の実証実験

財界オンライン 2021年11月11日 18時0分

「飛行機では近すぎるし、鉄道やタクシーでは時間がかかりすぎる。そういった地点間を結ぶ移動手段として、〝空飛ぶクルマ〟に参入する意義は大きい」

 日本航空(JAL)が2025年度に予定する空飛ぶクルマを使ったエアタクシー事業の実現に向けて動き出した。同年に開催される大阪・関西万博において、会場となる夢洲周辺の遊覧飛行や会場と関西国際空港などを結ぶ。大阪府が行う実証実験に採択され、11月からヘリコプターで環境調査を実施する。

 空飛ぶクルマを巡っては様々な企業が参入している。日本ではANAホールディングスをはじめ、トヨタ自動車やホンダ、丸紅などがある。海外でもエアバスやボーイングなどの航空機メーカーからポルシェ、現代自動車といった自動車メーカーなども動き出している。

 これらの企業が開発している機体は「eVTOL(電動垂直離着陸機)」と呼ばれ、滑走路を必要としない。ビルの屋上からヘリコプターのように飛び立つことができて騒音もない。JALは独企業や英企業から最大100機から50機の機体を導入できる権利を取得している。

 異業種企業が一気に参入する空飛ぶクルマだが、JALやANAは〝運航〟という領域で一日の長がある。例えば、ホンダが小型ジェット機の技術を応用して空飛ぶクルマの機体を製造しても、安全に運航する領域でのノウハウは持っていないからだ。

 その点、航空会社は「航空機輸送のノウハウ」(同)を持つ。では、両社の差はどこに出てくるのか。前出の関係者は「どこを飛ぶかがポイントになる」と指摘。JALやANAは実証実験の場として長崎の五島列島や沖縄の奄美大島、電車やフェリーで時間がかかる中部空港―伊勢神宮間を選ぶ。実用化後はどの路線を飛ぶかの目利き力が問われることになるだろう。

 ただ、法整備や社会受容性の課題は依然として解決していない。万博で安全性などが立証されれば、実用化に向けた弾みになることは間違いない。今後は航空会社と機体開発会社との融合が重要になる。

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