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【経済産業省】半導体産業の育成に向け、3段階の強化計画を提示

財界オンライン 2021年12月17日 15時0分

経済産業省は11月、日本の半導体産業の支援に関する行動計画「半導体産業基盤緊急強化パッケージ」を公表した。先端半導体工場の誘致に向けた支援など足元の対策に加え、2030年代までを見据えた次世代技術の開発などを3段階に分けて推進する。経産省は「これが日本の参入機会のラストチャンス」と強調し、これまでにない巨額の支援を行う。

 計画は、今年6月に同省が策定した「半導体・デジタル産業戦略」を具体化したもの。今後、データ処理量の増大によるデータセンター需要の増加や、自動運転など自動車の技術革新で車載半導体も伸びると予想。日本の半導体関連企業の売上高の合計を、2020年の4・5兆円から30年には13兆円に伸ばす目算だ。

 計画の第1段階では国内製造基盤の確保を推進。先端半導体の技術を有する外国企業が国内に工場を建設する際、巨額の支援を可能とするよう法的枠組みを整え、複数年度に渡って支援する。経産省は必要な法改正案を年内にも開かれる臨時国会に提出して基金を設置し、21年度補正予算に約6千億円を計上する方針。半導体受託製造世界最大手の台湾積体電路製造(TSMC)が熊本県に建設する新工場が第1弾となる見通しだ。

 また、先端技術ではないものの依然重要なセンサーやパワー半導体など、国内の既存製造設備についても工場の刷新や強靭化に向けた支援を行う。

 その上で第2段階では日米で連携しつつ、微細化などの次世代半導体技術の開発を支援。第3段階では同省がゲームチェンジャーになると期待する、電気配線を光に置き換える「光電融合」と呼ばれる技術を30年代に実用化できるよう支援する。

 経産省は今後さらに、高額な電気料金など国内で半導体を生産する上でのコストの低減や、人材育成など長期的な課題についても検討を深める方針。来春をめどに結論をまとめ、政府の成長戦略などに反映する方針だ。

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