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【総務省】有識者会議で携帯電話用の電波割り当て新方式を検討

財界オンライン 2021年12月13日 15時0分

総務省は、携帯電話用の電波割り当ての新方式を検討する有識者会議を設置し、議論を開始した。携帯電話の電波は、高速大容量の通信規格「5G」の普及をにらみ需要が高まっており、海外の割り当て方式で一般的となっている電波オークション方式も選択肢として検討の対象とする。

 電波の周波数帯の利用権を競争入札にかける「電波オークション制度」は、電波利用の透明性が確保されるメリットがある反面、価格競争で値上がりが進めば、利用者に価格転嫁される可能性もある。経済協力開発機構(OECD)加盟国のうち、日本だけが導入していない。

 民主党政権時代には導入に向け法案が提出されたものの、自民党の抵抗で廃案となった。安倍政権時代の規制改革推進会議でも検討されたが、民放各社などの反発で結論が見送られた経緯がある。金子恭之総務相は「電波の有効利用を促進するため、抜本的な見直しが必要だ」と述べ、改革に意欲を見せている。

 会合では、NTTドコモの井伊基之社長が、電波オークションを導入すれば、事業者の計画の自由度が高まると指摘。「今後の基本的な割り当て方式として検討すべきだ」と述べ、支持する考えを表明した。KDDIの高橋誠社長は入札額とネットワーク整備の状況を合わせて評価する海外の方式を紹介。「日本の議論の参考になる」と述べ、条件付きで認める意向を示した。

 これに噛みついたのが、新規参入組である楽天グループの三木谷浩史会長兼社長。ツイッターで、電波オークションに「大反対」と投稿。NTTドコモを名指しし、「過剰に利益をあげている企業の寡占化を復活するだけで、最終的にはせっかく下がってきている携帯価格競争を阻害する『愚策』だ」と厳しく批判した。

 楽天モバイルとソフトバンクは今後意見聴取を受ける予定で、有識者会議は来年夏をめどに報告書の取りまとめを目指す。

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