お客様第一義の実践──。小回りの効く経営で大口顧客を次々と開拓
「2040年までに売上高1兆円の会社をつくる」─。経営理念を同じくし、団結心を持って、『地域社会の発展』『豊かな社会づくり』に貢献していこうと、和佐見は将来ビジョンを掲げる。そして、共有する数値目標として、『2040年に売上高1兆円』を設定。「お客様から喜ばれるような価値創造を考えながらビジネスを展開していく。良い仕事をすれば、必ず次の仕事もお客様からいただくことになる」と和佐見は語り、「この事業ならば絶対に成長するという強みをつくりあげようとグループ内に呼びかける。企業の成長を支え、事業を発展させていくのは『人』だ。(敬称略)
この事業なら、絶対に成長するという思いで
「次の50年を考える上で、売上高はもう1兆円以上が大前提ですから、2040年までに1兆円の会社をつくるんだと。これが社内の結束、団結心を持った人同士の合言葉でもあります。共有する数値目標を持つことが、会社が成長していく上で大事なことだと思っています」
売上高で見れば、丸和運輸機関はここ数年、連結業績で年率2ケタ成長を実現。18年3月期は前年同期比10・7%の伸び、19
年3月期は15%強増、20年3月期は約 15 %増と順調に増加。コロナ禍に遭遇した21年3月期も14%増と伸ばしている。21年3月期は1121億円と1000億円台を突破。今期は1295億円台と15%増になる見通し。
目標は高い。しっかりと地に足をつけた成長を図りながら、40年までに「売上高1兆円を目指す」という和佐見の数値目標である。その心構えについて和佐見は熱っぽく語る。
「この事業だったら絶対に成長する、業界ナンバーワンになるものを持つことが必要なんです。この仕事で自分たちの強みをつくりあげようと。お客様から喜ばれるような価値創造を図っていくことが大事。そういうことを考えながらビジネスを展開していくと、お客様は必ず評価してくれます」
お客様第一義─。顧客(取引先)のニーズに徹底して応えていくという考え方。この考え方に徹してきた。
「創業50年を迎えられるというのは、成長に対して貪欲にやってきたからですね。成長しようという欲に怠惰になってはいけない。欲がない人は駄目なんですよね。その欲というのは、お客様が喜ぶようなサービス提供に努めていくということ。そういう貪欲さです。お客様へのサービスに努めるにはどうしたらいいか、こうした方がいいのかなとか、そういう工夫心が必要です」
こういう考えに徹しているので、取引先との関係も実に長い。
例えば、流通業界の雄、セブン&アイ・ホールディングスとの取引も50年近くにわたる。同社との取引は、イトーヨーカ堂として同社がスーパーを軸に展開していたとき以来のこと。
環境激変の中で浮沈の激しい流通業界にあって、イトーヨーカ堂は無借金経営など堅実な経営で知られていた。当然、物流を委託するときも取引相手に厳しい要求を出すことで知られる。
地に足をつけた堅実経営で成長を確実にするという当時のイトーヨーカ堂経営である。当然、取引先にも厳しい要求が出てくる。「ええ。本当に、もう涙を何回流したか分かりませんよ(笑)」と語る。特に流通業界はコスト競争を耐え抜いての成長だから、筋肉質の経営体質にしようとムダ肉を剥ぎ落とそうと懸命な努力。いきおい、委託先の物流会社にも納品などで厳しい要求を出してくる。
和佐見勝・丸和運輸機関社長
当時のイトーヨーカ堂の厳しい要求に脱落する物流業者がいる中で、丸和運輸機関はなぜ残り得たのか?
「イトーヨーカ堂さんは基本に徹するという考えなんです。その基本を押さえないと次の事ができない。基本形をしっかりやるか、やらないか。その時は辛かったけど、でもそれ以上にわが社の成長にもつながることなんだと。現場の人たちへの要求度も高いものだから、これをやれれば間違いなくわが社の成長にもなるという思いでした」
お客様第一義の実践の第一歩である。
伝統の多角経営を進化【旭化成 ・小堀秀毅】の『3領域経営』と『GDP戦略』
以下、本誌にて
「2040年までに売上高1兆円の会社をつくる」─。経営理念を同じくし、団結心を持って、『地域社会の発展』『豊かな社会づくり』に貢献していこうと、和佐見は将来ビジョンを掲げる。そして、共有する数値目標として、『2040年に売上高1兆円』を設定。「お客様から喜ばれるような価値創造を考えながらビジネスを展開していく。良い仕事をすれば、必ず次の仕事もお客様からいただくことになる」と和佐見は語り、「この事業ならば絶対に成長するという強みをつくりあげようとグループ内に呼びかける。企業の成長を支え、事業を発展させていくのは『人』だ。(敬称略)
この事業なら、絶対に成長するという思いで
「次の50年を考える上で、売上高はもう1兆円以上が大前提ですから、2040年までに1兆円の会社をつくるんだと。これが社内の結束、団結心を持った人同士の合言葉でもあります。共有する数値目標を持つことが、会社が成長していく上で大事なことだと思っています」
売上高で見れば、丸和運輸機関はここ数年、連結業績で年率2ケタ成長を実現。18年3月期は前年同期比10・7%の伸び、19
年3月期は15%強増、20年3月期は約 15 %増と順調に増加。コロナ禍に遭遇した21年3月期も14%増と伸ばしている。21年3月期は1121億円と1000億円台を突破。今期は1295億円台と15%増になる見通し。
目標は高い。しっかりと地に足をつけた成長を図りながら、40年までに「売上高1兆円を目指す」という和佐見の数値目標である。その心構えについて和佐見は熱っぽく語る。
「この事業だったら絶対に成長する、業界ナンバーワンになるものを持つことが必要なんです。この仕事で自分たちの強みをつくりあげようと。お客様から喜ばれるような価値創造を図っていくことが大事。そういうことを考えながらビジネスを展開していくと、お客様は必ず評価してくれます」
お客様第一義─。顧客(取引先)のニーズに徹底して応えていくという考え方。この考え方に徹してきた。
「創業50年を迎えられるというのは、成長に対して貪欲にやってきたからですね。成長しようという欲に怠惰になってはいけない。欲がない人は駄目なんですよね。その欲というのは、お客様が喜ぶようなサービス提供に努めていくということ。そういう貪欲さです。お客様へのサービスに努めるにはどうしたらいいか、こうした方がいいのかなとか、そういう工夫心が必要です」
こういう考えに徹しているので、取引先との関係も実に長い。
例えば、流通業界の雄、セブン&アイ・ホールディングスとの取引も50年近くにわたる。同社との取引は、イトーヨーカ堂として同社がスーパーを軸に展開していたとき以来のこと。
環境激変の中で浮沈の激しい流通業界にあって、イトーヨーカ堂は無借金経営など堅実な経営で知られていた。当然、物流を委託するときも取引相手に厳しい要求を出すことで知られる。
地に足をつけた堅実経営で成長を確実にするという当時のイトーヨーカ堂経営である。当然、取引先にも厳しい要求が出てくる。「ええ。本当に、もう涙を何回流したか分かりませんよ(笑)」と語る。特に流通業界はコスト競争を耐え抜いての成長だから、筋肉質の経営体質にしようとムダ肉を剥ぎ落とそうと懸命な努力。いきおい、委託先の物流会社にも納品などで厳しい要求を出してくる。
和佐見勝・丸和運輸機関社長
当時のイトーヨーカ堂の厳しい要求に脱落する物流業者がいる中で、丸和運輸機関はなぜ残り得たのか?
「イトーヨーカ堂さんは基本に徹するという考えなんです。その基本を押さえないと次の事ができない。基本形をしっかりやるか、やらないか。その時は辛かったけど、でもそれ以上にわが社の成長にもつながることなんだと。現場の人たちへの要求度も高いものだから、これをやれれば間違いなくわが社の成長にもなるという思いでした」
お客様第一義の実践の第一歩である。
伝統の多角経営を進化【旭化成 ・小堀秀毅】の『3領域経営』と『GDP戦略』
以下、本誌にて