「何ごともやればできる」─。〝次の50年〟をにらんで人材育成に注力
「これからの成長を考える上で『人財』が必要です。今後5年間で3000人を新卒で確保すると同時に、中途採用で2000人、合計5000人を採用したいと考えています」
丸和運輸機関グループの正社員数は現在4000人強。それを向こう5年間で新卒、中途採用合わせて約5000人を採用していくと和佐見は語る。これからの成長に「人」は必要不可欠であり、執行役員や取締役クラスの経営を担う部門の「ヘッドハンティングもやって50人以上確保する」と言う。
日本は人口減、少子化・高齢化が進み、各産業、各層で人手不足が指摘される。デジタルトランスフォーメーション(DX)の時代が到来し、AI(人工知能)やIoT(全てのものがインターネットにつながる)を活用して『デジタルと人の融合』も進む。経営の効率化に向かって、そうした新しい潮流が生まれているが、経営の基本は「人」が支える。
その「人」をどう引き付けていくのか?
「丸和運輸機関グループとしては近年、年間2ケタの成長を遂げ、増収増益を続けています。若い人たちにも、この会社がどういう成長を遂げ、何が一番強い会社なのかをちゃんと理解してもらっています」
そうした『人財』が伸びる『場』を丸和運輸機関は提供していくと和佐見は次のように語る。
「人が成長しただけ、企業の成長率も上がります。『人財』が伸びていくようにと、わたしどもは社内に『丸和ロジスティクス大学』をつくり、今年(2021年)で25年目を迎えました」
社員の、人としての成長があってこそ、企業は成長するという考えである。
丸和ロジスティクス大学の講座内容
『丸和ロジスティクス大学』は運営基礎コース、現場リーダー育成コース、次期部門経営者コース、MBS(丸和ビジネススクール)コースがあり、入社2年目から次世代の経営幹部候補まで幅広く対象を募り、研修をしている。
現場重視の和佐見は、「基本的に社員は入社してすぐ現場を経験して学んでいく。現場で何年か経験して内勤者になったり、管理部門に入っていく。ただ、ずっと同じ場所に置いていてもいけないので、ローテーションで何か所か勤務する。基本は10年で最低3か所、通常5か所の職場で仕事を経験してもらいます」
入社してからの10年を、本人の成長のための1つの括りにするのはなぜか?
「10年というのは、わが社に勤めて本当に一番基礎のところを勉強しますからね。だから、現場教育が大事になってきます。人間形成を含めて修練は若いうちにしっかりやると。『鉄は熱いうちに打て』と言いますが、それだけでは駄目。人を鉄に例えたら、打ち続けることが大事。人は打ち続けていかないと本当のマネジメントというか、管理のできるような『人財』には育たない。そう思っています」
この『丸和ロジスティクス大学』に入学する資格は入社して2年目から得られる。「入社後1、2年というのは、現場の基本的な仕事の進め方を学ぶとき。実務で経験した事を研修での学びで裏打ちするということです」
丸和運輸機関は日本を代表する3PL(物流一括請負)企業。ドラッグストア大手のマツモトキヨシの物流を一手に引き受け、外資系eコマース大手の物流業務も受託し、消費者と直結する食品スーパーや生協(コープ)の3PLも引き受けるなど、小売業に特化した3PL業務に強いという評価を受けている。
そうした自分たちの強みをしっかり認識し、さらに成長していくためにも、社員たちには「プロ意識を持ってほしい」という和佐見の思いである。「ええ、プロフェッショナルたれと。例えばドライバーは安全教育をしっかりやっていくことでプロ意識を持ってもらいます」
和佐見勝・丸和運輸機関社長
具体的には、車両の点検整備もその1つ。輸配送を担う企業として、法定点検があり、定められた期間ごとに会社でも点検するが、同時に社員も『安全安心』のための、プロとしての管理のあり方を身に付けていく。
高速道路などで週末や祝祭日になると、故障した乗用車が立ち往生しているシーンを見かける。日曜ドライバーで運転が未熟ということも要因の1つだが、マイカーの整備や点検が不十分というケースも少なくない。車の未整備による立ち往生がトラックよりもマイカーの方が多いのは、こうした事情がある。
丸和運輸機関・和佐見勝の「共に成長の輪をつくる!」(第2回)
以下、本誌にて
「これからの成長を考える上で『人財』が必要です。今後5年間で3000人を新卒で確保すると同時に、中途採用で2000人、合計5000人を採用したいと考えています」
丸和運輸機関グループの正社員数は現在4000人強。それを向こう5年間で新卒、中途採用合わせて約5000人を採用していくと和佐見は語る。これからの成長に「人」は必要不可欠であり、執行役員や取締役クラスの経営を担う部門の「ヘッドハンティングもやって50人以上確保する」と言う。
日本は人口減、少子化・高齢化が進み、各産業、各層で人手不足が指摘される。デジタルトランスフォーメーション(DX)の時代が到来し、AI(人工知能)やIoT(全てのものがインターネットにつながる)を活用して『デジタルと人の融合』も進む。経営の効率化に向かって、そうした新しい潮流が生まれているが、経営の基本は「人」が支える。
その「人」をどう引き付けていくのか?
「丸和運輸機関グループとしては近年、年間2ケタの成長を遂げ、増収増益を続けています。若い人たちにも、この会社がどういう成長を遂げ、何が一番強い会社なのかをちゃんと理解してもらっています」
そうした『人財』が伸びる『場』を丸和運輸機関は提供していくと和佐見は次のように語る。
「人が成長しただけ、企業の成長率も上がります。『人財』が伸びていくようにと、わたしどもは社内に『丸和ロジスティクス大学』をつくり、今年(2021年)で25年目を迎えました」
社員の、人としての成長があってこそ、企業は成長するという考えである。
丸和ロジスティクス大学の講座内容
『丸和ロジスティクス大学』は運営基礎コース、現場リーダー育成コース、次期部門経営者コース、MBS(丸和ビジネススクール)コースがあり、入社2年目から次世代の経営幹部候補まで幅広く対象を募り、研修をしている。
現場重視の和佐見は、「基本的に社員は入社してすぐ現場を経験して学んでいく。現場で何年か経験して内勤者になったり、管理部門に入っていく。ただ、ずっと同じ場所に置いていてもいけないので、ローテーションで何か所か勤務する。基本は10年で最低3か所、通常5か所の職場で仕事を経験してもらいます」
入社してからの10年を、本人の成長のための1つの括りにするのはなぜか?
「10年というのは、わが社に勤めて本当に一番基礎のところを勉強しますからね。だから、現場教育が大事になってきます。人間形成を含めて修練は若いうちにしっかりやると。『鉄は熱いうちに打て』と言いますが、それだけでは駄目。人を鉄に例えたら、打ち続けることが大事。人は打ち続けていかないと本当のマネジメントというか、管理のできるような『人財』には育たない。そう思っています」
この『丸和ロジスティクス大学』に入学する資格は入社して2年目から得られる。「入社後1、2年というのは、現場の基本的な仕事の進め方を学ぶとき。実務で経験した事を研修での学びで裏打ちするということです」
丸和運輸機関は日本を代表する3PL(物流一括請負)企業。ドラッグストア大手のマツモトキヨシの物流を一手に引き受け、外資系eコマース大手の物流業務も受託し、消費者と直結する食品スーパーや生協(コープ)の3PLも引き受けるなど、小売業に特化した3PL業務に強いという評価を受けている。
そうした自分たちの強みをしっかり認識し、さらに成長していくためにも、社員たちには「プロ意識を持ってほしい」という和佐見の思いである。「ええ、プロフェッショナルたれと。例えばドライバーは安全教育をしっかりやっていくことでプロ意識を持ってもらいます」
和佐見勝・丸和運輸機関社長
具体的には、車両の点検整備もその1つ。輸配送を担う企業として、法定点検があり、定められた期間ごとに会社でも点検するが、同時に社員も『安全安心』のための、プロとしての管理のあり方を身に付けていく。
高速道路などで週末や祝祭日になると、故障した乗用車が立ち往生しているシーンを見かける。日曜ドライバーで運転が未熟ということも要因の1つだが、マイカーの整備や点検が不十分というケースも少なくない。車の未整備による立ち往生がトラックよりもマイカーの方が多いのは、こうした事情がある。
丸和運輸機関・和佐見勝の「共に成長の輪をつくる!」(第2回)
以下、本誌にて