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どうなる? 2022年の旅行業界① 澤田秀雄・エイチ・アイ・エス会長兼社長に直撃!

財界オンライン 2022年1月4日 11時30分

国内旅行に注力、新たなビジネスにも挑戦


 ── エイチ・アイ・エス会長兼社長の澤田秀雄さん、このコロナ禍の2年を踏まえた上で、22年の国内及び海外旅行の動向を見ていますか。

 澤田 今はまだ海外旅行はほぼありませんが、ワクチン接種や検査体制の充実で、22年春頃から増えてくるのではないかと予測しています。

 また、ビジネス目的の渡航者の隔離期間が3日間に短縮になりましたから、これまでより海外に行きやすくなっていますから、先行きはまだ不透明ですが、こちらも春以降には伸びてくるのではないかと見ています。

 ―― 今後の旅行需要回復のシナリオをどう描きますか。

 澤田 足元で国内旅行が伸びており、倍前後の成長をしていますから我々も力を入れています。これによってきちんと収益を上げられる会社にしていきたいと考えています。

 ―― 再生を手掛けた長崎の「ハウステンボス」の現状は?

 澤田 ハウステンボスには、だいぶお客様が戻ってきており、今期は黒字の見通しです。確かにコロナ禍で入場者は非常に減りましたが、今期はおそらく200万人程度、将来は250万人にはなっていくだろうと。

 そして今、ハウステンボスは上場準備をしており、2、3年後の上場を目指しています。これはまだ確実ではありませんが、4、5年後に長崎にカジノを含むIR(統合型リゾート)の誘致が実現できれば、入場者は800万人前後になるだろうと言われています。

 長崎はIR誘致に関して、県も市も協力的で、あまり大きな反対もありませんから、日本で最も早い開業になる可能性はあると思っています。

 ―― 改めて、開業以来赤字が続いたハウステンボスを再建できた要因は?

 澤田 やはり非常に旬の、いいイベントを打っていることではないでしょうか。例えば冬にはアジア1のイルミネーション、バラの時期には「100万本のバラ」というイベントを開催しています。場所は不便かもしれませんが、イベントをきちんと仕掛けていくと、全国からお客様に来ていただけます。そのためのチャレンジを常にし続けることが大事だと思います。

 ―― コロナでインバウンド(訪日外国人客)が失われたわけですが、その中で今後の旅行業をどう考えますか。

 澤田 インバウンドの回復は、このコロナの状況ではしばらくは無理だと思います。将来はインバウンドが数千万人訪れる時が来るとは思いますから、その準備はしますが、準備だけでは食べていけません。

 ですから国内旅行の他、ホテルや旅館の再生など、新たなビジネスにも取り組んでいきます。

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