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2022年の生命保険業界はどうなる?日本生命・清水博社長に直撃!

財界オンライン 2022年1月13日 18時0分

── 国民の命と暮らしを守る視点から、日本生命保険の清水博さん、コロナ禍も踏まえて、新年の世界、日本経済をどう見通していますか。

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 清水 ワクチン接種のさらなる進展、治療薬の普及で日本経済、世界経済の回復は強まると考えています。ただ、懸念はインフレリスクです。今のリスクが一時的なものに収まるかは、2022年に大きな影響を与えます。

 ─ 保険金支払のために資産運用もされていますが、米国のテーパリングも踏まえた運用の方向性は?

 清水 テーパリングが始まったとはいえ、世界的な低金利環境は変わりません。国際分散投資で収益を向上させるという取り組みは、これまで通りです。

 我々は保険会社ですから、保険を引き受ける負債側はほぼ全て円です。円で資産運用をするマッチングの概念は非常に重要ですから、超長期の円金利を積み増すことが重要です。

 それに加えて海外のクレジット(社債・融資)、長期的な収益向上が期待できるオルタナティブなど、分散投資を続けることで収益の維持を図っていきます。

 さらにESG(環境・社会・ガバナンス)投資を増やすことで、中長期において地球環境への貢献と投資収益向上の両方の実現を目指していきます。

 ─ 脱炭素に向け、機関投資家として、投資先の企業との対話をどう進めていきますか。

 清水 我々は2050年の脱炭素を資産運用ポートフォリオの目標に置いています。この30年で、どう我々が責任と役割を果たしていくかが大事です。

 我々のポートフォリオだけを脱炭素に向けて加速しようと思うと、排出量の多い企業の株式を売れば実現できますが、自分の庭だけをきれいにするというのは、機関投資家としてやるべきことではありません。

 株式を持ち続けて企業と対話することで、脱炭素への取り組みを後押しし、時には強く背中を押す役割が求められていると思いますから、その意識を強く持って、共に歩んでいく姿勢が大事だと思います。

 ─ これからの時代に向けた生命保険の役割は?

 清水 人生100年時代における安心・安全の提供をテーマに、長く健康に生活できる社会づくりを支える商品・サービスの開発を進め、それらを営業職員を始めとした複数のチャネルでお客様にきちんとお届けすることが使命であり、その流れはますます強まっています。

 コロナの影響で業績は回復途上です。ただ、この間、リアルとデジタルの融合に向けたインフラを整え、営業職員はそのデジタルツールを使いこなそうと努力しています。

 お客様にサービスをお届けするという使命感は、将来に成長する、よりお客様が広がるための希望の灯りだと思っています。

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