わたしも何度か時代の分岐点に遭遇しましたが、一番印象に残っているのは、わたしが所属していたコンピューター部門の分社化です。昭和60年に電電公社が民営化してNTT(日本電信電話)となり、昭和63年にコンピューター部門は子会社として分離されるんですが、当時は分社化に皆反対していたんです。なぜなら、コンピューター事業は電電公社から生まれて20年間ずっと赤字だったんです。一度も黒字を出したことがなかったので、残った人たちには「お前たちは泥船に乗ってかわいそうだな」と言われました。
ところが、皆が反対していた割に、不思議と分社化したら1年目から黒字になりました。
要するに覚悟なんです。今も不思議なんですが、働いている人は同じだし、黒字になる要素であるNTTの仕事は全部向こうに置いてきたわけですよ。ただ、いくら赤字であろうと、コンピューターしかやってこなかった人間だから、目の前の仕事で頑張るしかなかったんです。
もちろん、コンピューターの仕事が好きで、その将来性を信じていたこともありますが、ある意味では、追い込まれた状態になったというか、これに人生を懸けるしかないと思って頑張ったんです。だから、覚悟を決めて、諦めないということが大事なんだと思います。
誰しも人生の分岐点っていくつかあると思います。わたしにとっては、高校時代の文系から理系への転換や、コンピューター部門の分社化がそれにあたります。その時に、条件が良いからとか、楽そうだからということで選ぶのではなく、多少困難な道でも、自分が本当にやりたいことや夢を持てる道を選ぶべきですね。そして選んだ道で頑張るしかないと覚悟を決めて、必死に頑張ることが必要だと思います。
その結果、時には失敗することや挫折もあるかもしれませんが、一度決めたら、その道で努力を続けることが大事なのだと思います。長い人生でその努力は決して無駄にはなりません。
【若者に贈る言葉】住友商事会長 中村 邦晴
ところが、皆が反対していた割に、不思議と分社化したら1年目から黒字になりました。
要するに覚悟なんです。今も不思議なんですが、働いている人は同じだし、黒字になる要素であるNTTの仕事は全部向こうに置いてきたわけですよ。ただ、いくら赤字であろうと、コンピューターしかやってこなかった人間だから、目の前の仕事で頑張るしかなかったんです。
もちろん、コンピューターの仕事が好きで、その将来性を信じていたこともありますが、ある意味では、追い込まれた状態になったというか、これに人生を懸けるしかないと思って頑張ったんです。だから、覚悟を決めて、諦めないということが大事なんだと思います。
誰しも人生の分岐点っていくつかあると思います。わたしにとっては、高校時代の文系から理系への転換や、コンピューター部門の分社化がそれにあたります。その時に、条件が良いからとか、楽そうだからということで選ぶのではなく、多少困難な道でも、自分が本当にやりたいことや夢を持てる道を選ぶべきですね。そして選んだ道で頑張るしかないと覚悟を決めて、必死に頑張ることが必要だと思います。
その結果、時には失敗することや挫折もあるかもしれませんが、一度決めたら、その道で努力を続けることが大事なのだと思います。長い人生でその努力は決して無駄にはなりません。
【若者に贈る言葉】住友商事会長 中村 邦晴