システム障害の再発防止、企業風土変革が課題
「一連の障害に対する深い反省の下、不退転の決意で臨む」─こう話すのは、みずほフィナンシャルグループ社長に内定した木原正裕氏。
【他の写真を見る】みずほFGの記者会見には社外取締役も出席
2022年1月17日、みずほFGは持ち株会社と銀行のトップ人事と、一連のシステム障害に関する業務改善計画を発表した。みずほFG社長には常務の木原氏(旧日本興業銀行)、会長には副社長の今井誠司氏(旧第一勧業銀行)が就く。また、みずほ銀行頭取には一度内定したが、障害対応で白紙となっていた加藤勝彦(まさひこ)氏(旧富士銀行)の昇格が決まっている。
今井氏、加藤氏の就任は4月1日付だが、木原氏は2月1日付。これは現社長の坂井辰史氏が体調不良になったため、事前の予定より前倒しとなった。
木原氏の人選は社外取締役で構成される指名委員会が行った。最終的には3人の候補者まで絞り込まれたようだが、指名委員長の甲斐中辰夫氏は「視野が広く決断力があり、社員のやる気を引き出し前に進めるリーダーシップがある」と評価して木原氏を選んだと話した。
結果として旧3行でポストを分け合った形だが、甲斐中氏は「旧行意識はゼロとは言えないが、統合から20年以上経つ。トップとしてふさわしい人選んだ」とバランス人事を否定。
木原氏は1965年8月東京都生まれ。弟は岸田文雄首相の側近で内閣官房副長官の木原誠二氏。89年一橋大学法学部卒業後、日本興業銀行入行。メガバンクで初の平成入行社長が誕生する。若手時代から木原氏を知る興銀OBは「周りからの信頼が非常に厚い人間」と評する。
だが、木原氏が「みずほにとって今は正念場」と話すように、置かれた状況は厳しい。今回の人事のきっかけとなったシステム障害により、社会からの信頼は著しく低下。再発防止と、障害が起きた時の早期の復旧体制を構築できなければ挽回は困難。
また、障害の根本原因として金融庁から「言うべきことを言わず、言われたことしかしない」と指弾された企業風土の変革ができるか。木原氏は「大胆に変革する」と強調する。
早期にシステムへの信頼を回復しなければ、デジタル化が進む金融激変時代を生き抜くことはできない。
【あわせて読みたい】なぜ、みずほ銀行はシステム障害解決の『司令塔』を作れないのか?
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2022年1月17日、みずほFGは持ち株会社と銀行のトップ人事と、一連のシステム障害に関する業務改善計画を発表した。みずほFG社長には常務の木原氏(旧日本興業銀行)、会長には副社長の今井誠司氏(旧第一勧業銀行)が就く。また、みずほ銀行頭取には一度内定したが、障害対応で白紙となっていた加藤勝彦(まさひこ)氏(旧富士銀行)の昇格が決まっている。
今井氏、加藤氏の就任は4月1日付だが、木原氏は2月1日付。これは現社長の坂井辰史氏が体調不良になったため、事前の予定より前倒しとなった。
木原氏の人選は社外取締役で構成される指名委員会が行った。最終的には3人の候補者まで絞り込まれたようだが、指名委員長の甲斐中辰夫氏は「視野が広く決断力があり、社員のやる気を引き出し前に進めるリーダーシップがある」と評価して木原氏を選んだと話した。
結果として旧3行でポストを分け合った形だが、甲斐中氏は「旧行意識はゼロとは言えないが、統合から20年以上経つ。トップとしてふさわしい人選んだ」とバランス人事を否定。
木原氏は1965年8月東京都生まれ。弟は岸田文雄首相の側近で内閣官房副長官の木原誠二氏。89年一橋大学法学部卒業後、日本興業銀行入行。メガバンクで初の平成入行社長が誕生する。若手時代から木原氏を知る興銀OBは「周りからの信頼が非常に厚い人間」と評する。
だが、木原氏が「みずほにとって今は正念場」と話すように、置かれた状況は厳しい。今回の人事のきっかけとなったシステム障害により、社会からの信頼は著しく低下。再発防止と、障害が起きた時の早期の復旧体制を構築できなければ挽回は困難。
また、障害の根本原因として金融庁から「言うべきことを言わず、言われたことしかしない」と指弾された企業風土の変革ができるか。木原氏は「大胆に変革する」と強調する。
早期にシステムへの信頼を回復しなければ、デジタル化が進む金融激変時代を生き抜くことはできない。
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