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政府の『ガソリン補助金』発動 一方で、効果不透明との声も

財界オンライン 2022年2月9日 11時30分

政府が導入したガソリンなど燃料の価格高騰緩和策が発動された。レギュラーガソリン1リットル当たりの店頭小売価格が全国平均で170円以上となった場合に石油元売りや輸入会社に補助金を支給し、給油所への卸価格上昇を抑制するもので、店頭価格の高騰を緩和するのが狙いだ。ただ、店頭価格にどこまで反映されるかは不透明で、値下げ制度だと誤解する利用者も相次いでおり、給油所の経営者からは懸念する声も出ている。

 この制度の対象には、ガソリンのほか軽油、灯油、重油も含む。1リットル当たり最大5円の補助金を、ENEOSや三菱商事など国内の主要石油元売りと輸入業者29社に支給する。3月末までの時限措置で、2021年度補正予算に財源として800億円が盛り込まれた。

 発動初回となる最初の1週間分は、直近の全国平均価格170円20銭と基準額170円の差額20銭に、原油調達コストの上昇分3円20銭を合計した3円40銭を補助した。

 しかし、あくまで値上がりを抑制する制度であるにも関わらず、現場では「店頭価格が下がるイメージが広がっている」(大分県の給油所経営者)といい、利用者の理解は進んでいない。長野県内のある給油所では、発動前に値下がりを期待した買い控えも発生した。

 また、ガソリン価格が早々に補助金の上限である5円以上値上がりすることも想定されるため、「あくまで一時的な措置でしかない」(札幌市内の給油所長)との見方も多い。業界関係者からは、民主党政権時代に導入され現在は制度凍結中の、条件を満たした場合に揮発油税を一時的に減税する「トリガー条項」発動を求める声もある。

 岸田文雄首相はトリガー条項の凍結解除について「買い控えや税収への影響などがあるため適当ではない」との立場を変えていないが、萩生田光一経産相は追加対策の選択肢の一つとする考えを示している。政府は異例の補助金制度による価格抑性に踏み切ったが、このまま原油価格高騰が続けば、新たな次の一手を打ち出す必要に迫られる。

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