Infoseek 楽天

【オンライン英会話最大手】レアジョブ社長・中村岳が「次に目指すもの」

財界オンライン 2022年2月16日 7時0分

「オンライン英会話」から事業領域を拡大
 私達は「Chances for everyone,everywhere.」というビジョンを掲げ、「グローバルに人々が活躍する基盤をつくる」という目的で事業を展開しています。世界中の人々が様々なチャンスを獲得できる世界を創っていきたいと考えていますが、そのためにはスキルを伸ばすことが必要です。スキルが伸びれば活躍できる分野も広がります。

【写真で見る】レアジョブ社長・中村岳氏に密着

 その入り口として、まずは英語のスピーキングに焦点を当てて、「オンライン英会話」が現在の当社の基盤となっています。

 その基盤の上に徐々に領域を広げてきています。オンライン英会話も大人向けから始まったものを子ども向けの「リップルキッズパーク」に広がり、学校向けの授業内オンラインレッスンやALT(Assistant LanguageTeacher)派遣も手掛けています。

 さらに英語にとどまらず、法人向けにグローバルリーダー育成に向けて、そのスキル・能力を可視化するソリューション「PROGOSⓇ」を提供している他、資格を取得するスキルを高める事業にも領域を広げています。

 共通しているのは、人のスキルを伸ばす事業だということです。そして今後、重要なキーワードだと考えているのが「アセスメント」(assessment = 評価・分析)です。

 例えば、日本で英語能力を測るテストには「TOEIC® Listening&Reading」がありますが、実際にどれだけ話すことができるかについては測られていません。TOEICで高得点を取っても話すことができるようにならなくて困ったという話もよく聞きます。

 この問題に対して、スピーキングを指標にしたテストを普及させていけば、そのミスマッチが起きなくなるのではないかと考えています。そこでCEFR(Common European Framework of Reference for Languages=ヨーロッパ共通参照枠)という世界的な評価基準を基にして測定できるようにしたのが、前述の「PROGOSⓇ」です。

 そしてテスト結果を人力で採点していると時間がかかり、受けられる人数も制限されますから、これをAI(人工知能)で自動化し、テスト終了後1、2分で結果が出るシステムを開発しました。「PROGOSⓇ」が普及すれば、企業の中で昇進や海外赴任をする際の指標になる可能性があります。

「資格スクエア」を買収した理由
 当社は2021年12 月、資格試験のオンライン学習サービスを展開する「資格スクエア」を買収しました。我々が目指す世界観を実現するために、より個人がスキルを伸ばすことができるサービスが必要だという視点で、チャンスがあれば他社が構築した事業をグループに取り込み、そこに我々のノウハウを加えることで成長を加速させることも選択肢の1つだと考えていました。

 資格スクエアの事業もオンラインを活用した教育であり、我々と共通した部分もありますから、横展開も可能ではないかと思っています。

 今後の我々の姿としては、人々のスキルデータを蓄積できるコンテンツと、そのデータプラットフォームを構築することを描いています。日本の働き方が「ジョブ型」の色彩を強める中では、有効な事業になるのではないかと考えています。

 我々にとって、今は「変革」の時期です。社内には「会社を変えていこう」と訴えているところです。

なかむら・がく
1980年東京都出身。2003年東京大学工学部卒業、05年東京大学大学院情報理工学系研究科卒業後、NTTドコモ入社。08年レアジョブ代表取締役最高技術責任者、12年同最高執行責任者、15年6月代表取締役社長に就任。

この記事の関連ニュース