会社が新たな段階に入った表れか─。
大手不動産会社・ヒューリックは22年1月28日、トップ人事を発表した。社長には副社長の前田隆也氏が昇格、社長の吉留学氏は取締役会議長、会長の西浦三郎氏は留任する。
ヒューリックの前身は旧富士銀行(現みずほ銀行)の店舗不動産の管理から出発した日本橋興業で、みずほ銀行とのつながりが深い。西浦氏、吉留氏ともに旧富士銀行の出身。だが、今回社長に就く前田氏は1984年東京大学工学部卒業後、大成建設に入社し、主に不動産開発に携わり、07年にヒューリックに入社した後も開発を担当。
その意味でこの人事は事業フェースが変わったことを意味していると言っていい。これまで同社はマンションは手がけず、オフィス、ホテルに集中。「成長性」、「収益性」、「生産性」、「安全性」の4つを高いレベルでバランスさせることを意識してきた。このモデルを築いたのが西浦氏。
その過程では融資やバランスシート構築で銀行との関係が重要だった。しかし、それが一段落し、開発や建て替えなど事業の実行に軸足が移る。特にヒューリックが持つ250~260棟のビルの4割近くは築10年以内の建物で、建築基準法の1.25倍から1.5倍の耐震強度で建てているが、今後の震災に備えて10年間で約100棟の建て替え、再開発を行うことを表明。
この実行に向けて開発の現場に精通した前田氏に経営を託すという判断。「着実に、手堅く仕事をしていく人」という社内評。
同日に公表したヒューリックの22年12月期の連結純利益見通しは前年同期比8%増の750億円。コロナ禍でホテルは苦戦したが、オフィス賃貸は底堅く、順調に推移し、物件の売却益も積み上がったことが要因。
危機に強いビルづくりへ─。次の成長につなげることが前田氏に課されている。
大手不動産会社・ヒューリックは22年1月28日、トップ人事を発表した。社長には副社長の前田隆也氏が昇格、社長の吉留学氏は取締役会議長、会長の西浦三郎氏は留任する。
ヒューリックの前身は旧富士銀行(現みずほ銀行)の店舗不動産の管理から出発した日本橋興業で、みずほ銀行とのつながりが深い。西浦氏、吉留氏ともに旧富士銀行の出身。だが、今回社長に就く前田氏は1984年東京大学工学部卒業後、大成建設に入社し、主に不動産開発に携わり、07年にヒューリックに入社した後も開発を担当。
その意味でこの人事は事業フェースが変わったことを意味していると言っていい。これまで同社はマンションは手がけず、オフィス、ホテルに集中。「成長性」、「収益性」、「生産性」、「安全性」の4つを高いレベルでバランスさせることを意識してきた。このモデルを築いたのが西浦氏。
その過程では融資やバランスシート構築で銀行との関係が重要だった。しかし、それが一段落し、開発や建て替えなど事業の実行に軸足が移る。特にヒューリックが持つ250~260棟のビルの4割近くは築10年以内の建物で、建築基準法の1.25倍から1.5倍の耐震強度で建てているが、今後の震災に備えて10年間で約100棟の建て替え、再開発を行うことを表明。
この実行に向けて開発の現場に精通した前田氏に経営を託すという判断。「着実に、手堅く仕事をしていく人」という社内評。
同日に公表したヒューリックの22年12月期の連結純利益見通しは前年同期比8%増の750億円。コロナ禍でホテルは苦戦したが、オフィス賃貸は底堅く、順調に推移し、物件の売却益も積み上がったことが要因。
危機に強いビルづくりへ─。次の成長につなげることが前田氏に課されている。