最強タッグが組めた!
「エネルギーの脱炭素化を加速させていくためにも、太陽光発電所の開発を進めていくべきだと思うし、今回のプロジェクト開発が実現すれば、当社は国内でも大規模な太陽光発電事業者となる見込み。2025年に向けて、再生可能エネルギーのグローバルリーダーを目指す」
こう語るのは、東京電力と中部電力が折半出資するJERA執行役員事業開発本部副本部長の矢島聡氏。
JERAがウエストホールディングスと国内における太陽光発電の開発で業務提携した。
JERAの発電所跡地や新規開発拠点を活用し、約5年で合計100万㌔㍗以上の太陽光発電所を建設する。JERAは2025年に再生可能エネルギーの開発目標を500万㌔㍗としているが、今回のウエストHDとの提携により、更なる上積みも視野に入れる。
ウエストHDはジャスダック上場会社。太陽光発電を中心に再エネの開発を行っている。同社の強みは、家庭用からメガソーラー(大規模太陽光発電所)まで、約6万5千カ所を超える開発実績があること。
ウエストHD取締役戦略本部長の荒木健二氏は「最強タッグが組めたと認識している。脱炭素化が求められる中、技術的に確立され、工期が短い太陽光発電は、短期的に再エネの導入量を拡大できる有力な選択肢として期待されている」と語る。
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理想と現実の狭間で…
2015年に設立され、19年に東京電力と中部電力の火力発電事業を完全統合してできたのがJERAである。日本の電力構成(19年度)の約76%を占める火力。JERAはその国内火力の半分を占める発電能力を持ち、日本の電力の約3分の1を担う国内最大の電力事業者だ。
近年は環境・社会・ガバナンスに配慮する「ESG投資」など、温暖化ガス削減に向けた流れが世界的に加速。CO2(二酸化炭素)排出量の多い化石燃料に対する世間の目は厳しくなるばかり。このため、JERAも再エネや、エネルギーとして使用する際にCO2を排出しない水素・アンモニアなどの活用を急ピッチで進めている。
「残念ながら、われわれは、国内では太陽光を全く手掛けていない。ただ、この分野で実績をあげているウエストHDと提携することで、大きな相乗効果が期待できる。やはり、再エネ電力に対する世間のニーズは大きい。夜は発電できないという弱点もある中で、ガス火力と太陽光をうまく組み合わせた形で電力を販売したり、いろいろな可能性を考えている」(矢島氏)
また、JERAは、すでに碧南火力発電所(愛知県)でアンモニアと石炭を混ぜて燃やす実証試験に着手。まずはアンモニアの混焼を進め、中長期的には水素を100%混焼して”CO2が出ない火”をつくろうとしている。
既存の石炭火力を天然ガスに切り替えるだけで、CO2は半減する。それだけに「水素やアンモニアに一気に移行できればいいが、サプライチェーン(供給網)が確立されていない移行期には天然ガスが必要」(日本エネルギー経済研究所・寺澤達也理事長)と訴える声も多い。
それでも、機関投資家や一般国民の間では脱炭素化を求める声が高まるばかり。脱炭素という”理想”と足元の安定供給という”現実”の狭間で揺れるエネルギー業界である。
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「エネルギーの脱炭素化を加速させていくためにも、太陽光発電所の開発を進めていくべきだと思うし、今回のプロジェクト開発が実現すれば、当社は国内でも大規模な太陽光発電事業者となる見込み。2025年に向けて、再生可能エネルギーのグローバルリーダーを目指す」
こう語るのは、東京電力と中部電力が折半出資するJERA執行役員事業開発本部副本部長の矢島聡氏。
JERAがウエストホールディングスと国内における太陽光発電の開発で業務提携した。
JERAの発電所跡地や新規開発拠点を活用し、約5年で合計100万㌔㍗以上の太陽光発電所を建設する。JERAは2025年に再生可能エネルギーの開発目標を500万㌔㍗としているが、今回のウエストHDとの提携により、更なる上積みも視野に入れる。
ウエストHDはジャスダック上場会社。太陽光発電を中心に再エネの開発を行っている。同社の強みは、家庭用からメガソーラー(大規模太陽光発電所)まで、約6万5千カ所を超える開発実績があること。
ウエストHD取締役戦略本部長の荒木健二氏は「最強タッグが組めたと認識している。脱炭素化が求められる中、技術的に確立され、工期が短い太陽光発電は、短期的に再エネの導入量を拡大できる有力な選択肢として期待されている」と語る。
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2015年に設立され、19年に東京電力と中部電力の火力発電事業を完全統合してできたのがJERAである。日本の電力構成(19年度)の約76%を占める火力。JERAはその国内火力の半分を占める発電能力を持ち、日本の電力の約3分の1を担う国内最大の電力事業者だ。
近年は環境・社会・ガバナンスに配慮する「ESG投資」など、温暖化ガス削減に向けた流れが世界的に加速。CO2(二酸化炭素)排出量の多い化石燃料に対する世間の目は厳しくなるばかり。このため、JERAも再エネや、エネルギーとして使用する際にCO2を排出しない水素・アンモニアなどの活用を急ピッチで進めている。
「残念ながら、われわれは、国内では太陽光を全く手掛けていない。ただ、この分野で実績をあげているウエストHDと提携することで、大きな相乗効果が期待できる。やはり、再エネ電力に対する世間のニーズは大きい。夜は発電できないという弱点もある中で、ガス火力と太陽光をうまく組み合わせた形で電力を販売したり、いろいろな可能性を考えている」(矢島氏)
また、JERAは、すでに碧南火力発電所(愛知県)でアンモニアと石炭を混ぜて燃やす実証試験に着手。まずはアンモニアの混焼を進め、中長期的には水素を100%混焼して”CO2が出ない火”をつくろうとしている。
既存の石炭火力を天然ガスに切り替えるだけで、CO2は半減する。それだけに「水素やアンモニアに一気に移行できればいいが、サプライチェーン(供給網)が確立されていない移行期には天然ガスが必要」(日本エネルギー経済研究所・寺澤達也理事長)と訴える声も多い。
それでも、機関投資家や一般国民の間では脱炭素化を求める声が高まるばかり。脱炭素という”理想”と足元の安定供給という”現実”の狭間で揺れるエネルギー業界である。
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