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ソフトバンクグループのarm売却に【GAFAはじめ各国政府が猛反対】した理由

財界オンライン 2022年2月22日 15時0分

「冬が続く」ソフトバンクグループ。米エヌビディアへの英arm売却計画がとん挫、再上場を目指す。なぜ、計画は頓挫したのかーー。



中国銘柄の株価下落で
大幅減益

「GAFAに代表されるようなIT業界の会社がこぞって猛反対。アメリカ政府もイギリス政府もEUも猛反対。armとエヌビディアの半導体は車でいえばエンジンとタイヤくらい違う。それでも各国政府が2社の合併を独禁法で阻止すると。これ以上、承認を得る努力をしても認められないだろうと、合併を諦めることでエヌビディアと合意した」─。

 ソフトバンクグループ会長兼社長の孫正義氏は、英armのエヌビディアへの売却頓挫の無念さをこう語る。armは心機一転、「2023年頃」を目途に再上場を目指す。

 armはソフトバンクグループ傘下に入って先行投資を加速。新製品の投入で、富士通のスパコンやアマゾンのデータセンターでもarmのチップが採用されるなどスマホ以外での普及も進む。

 armのチップは「省エネ」「高セキュリティ」「低コスト」が強み。あらゆる端末にチップが搭載され、armのチップが普及すればするほど、経済安全保障も絡み、各国政府が無視できない存在になっていった。

日本法人社長が語る【armの強さ】

 業績にも逆風が吹いている。21年10―12月期の純利益は前年同期比98%減の290億円。4―12月期の税引前利益は1兆2347億円を確保するが、前年同期比63・3%の大幅な減益。

 孫氏が最重要指標に掲げるNAV(時価純資産)も減少。

「米国は順調に伸びている。日本・アジア・欧州も一応順調。中国関連が最も価値を下げた。ピーク時はNAVの6割近くがアリババだったが、今は24%。中国関連も32%という状況」だ。

 armの売却頓挫も中国銘柄の株価下落も経済安全保障の問題が大きな影を落とす。バブルとも言われる市場環境下、油断のできない経営が続く。

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