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【ベトナム人初の上場】ハイブリッドテクノロジーズの「ハイブリッド開発」は他と何が違うのか?

財界オンライン 2022年2月23日 18時0分

ハイブリッドテクノロジーズはコロナ危機の中、2021年12月23日、東証マザーズ市場に上場。社長のチャン・バン・ミン氏はベトナム人として初めて、日本市場に上場した社長となった。「運もあったし、組織の総合力のおかげ」

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 同社の特徴はシステムやソフトウェアの設計は日本、開発はベトナムという形ですみ分けた「ハイブリッド開発」を標榜していること。

 コスト面などを考えて海外、例えばIT人材が増加しているベトナムなどに開発を委託する「オフショア開発」が一般的だが、何が違うのか。

「オフショアは言語が通じづらい現地の人とコミュニケーションを取りながら進めるため難易度が高い。現地語、技術を理解し『ハブ』になる人材を確保するのは容易ではない」

 同社は、トップがベトナム人ということもあり、現地の最上位ランクの大学を卒業し、日本の大企業で働いた経験を持つような人材を採用。現地の開発チームと深いやり取りができ、開発が円滑に進むということ。「この仕組みを実現できているのは当社だけ。日本人とベトナム人とが〝共感〟し合っている」

 16年に創業以来、急速な成長を続けてきたこともあり、上場準備を進めたが、顧客に旅行業界や飲食業界が多く、コロナ危機は経営を直撃、「一時は売り上げが4割減少した」と話す。

 社員や株主、主幹事証券会社いずれもが「このタイミングでの上場は難しくなったのではないか」と考えたが、ミン氏は「上場できるという確信があった」。

 新規顧客の獲得に向けて営業活動を強化、自らも陣頭指揮を取って大きな案件を獲得し、V字回復を実現、上場に至った。

 今後は上場で得た認知度をさらなる採用や人材育成、大企業との取引につなげる。さらに成長速度を上げる意味で、資金を活用したM&A(企業の合併・買収)も検討。「ベトナムの目線で見たら日本市場はまだまだ大きい。そしてベトナムの優秀なエンジニアの給与水準を高めることにも貢献していきたい」

 「マインドフルネス」で心を整えて、経営に当たる日々だ。

ちゃん・ばん・みん
1986年ベトナム・ドンナイ省生まれ。8歳の時に両親とともに来日し、日本で約20年を過ごす。ベトナム国家大学大学院国際学部修了。起業を経験した後、ベトナムの情報通信最大手・FPTインフォメーションシステム入社、日本法人代表も務める。2016年にハイブリッドテクノロジーズを創業、21年12月東証マザーズに上場。

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