食品に関わるものの値上げが相次ぐ中、清涼飲料大手のコカ・コーラボトラーズジャパン(CCBJH)の講じる値上げ戦略に注目が集まっている。
「神泡」に次いで「ソーダ割り」を提案 【サントリー】の〝飲み方のファッション化〟戦略
同社はスーパーやドラッグストア向けの大容量(1・5リットルと2リットル)ペットボトル飲料の出荷価格を5~8%引き上げる。「コカ・コーラ」や茶飲料「綾鷹」、スポーツ飲料「アクエリアス」など主要商品が対象。1本120円前後と言われる出荷価格が6~10円程度上がる見込み。
昨今の砂糖やペットボトル容器に使う樹脂などの原材料の上昇を受け、「自助努力のみによるコスト増加の影響を吸収し続けることが困難」(同社)との判断がある。珍しいのは今回の値上げの対象にコンビニエンスストアが含まれていない点だ。
コンビニは自動販売機と合わせて値引せずに定価で販売できる「有力な販売網」(飲料関係者)。一方、スーパーやドラッグストアでは大量販売が見込まれるため、飲料メーカーが出荷価格を抑えたり、飲料メーカーが量販店に値引きの原資となるリベート(販売奨励金)を出して店頭では値引きされて販売される。そのため利益率も低くなる。
かねてより「コカ・コーラのボトラー(濃縮原液を仕入れ、水で薄めて容器に入れて最終製品にする業者)は儲かるビジネスモデルではない」(元ボトラー企業関係者)と言われていた。
CCBJHの21年12月期連結決算も25億円の赤字。東西のボトラーの統合前から数百人単位の希望退職を募集したり、統合後の19年、20年も人員削減を実施。子会社のキューサイもユーグレナに売却したり、財務体質の強化に動いていたが、なかなか成果が出ていなかった。
今回の値上げは薄利多売の量販店の販売網におけるテコ入れとも見られる。ただ、過去に飲料メーカーが一斉に希望小売価格を値上げしたが、店頭価格に反映されないことが多かった。
「スーパーで売られている大型ペットボトルがコンビニで販売される500ミリリットルのペットボトルと同じ140円前後で売られている」(別の関係者)ほど低価格化が常態化している。
飲料業界に一石を投じる最大手のコーラの動き。缶チューハイの領域では好調だが、飲料では苦戦が続く中、他社にも同様の動きが波及するかどうかで低価格化が進む飲料業界の方向性が決まってきそうだ。
「神泡」に次いで「ソーダ割り」を提案 【サントリー】の〝飲み方のファッション化〟戦略
同社はスーパーやドラッグストア向けの大容量(1・5リットルと2リットル)ペットボトル飲料の出荷価格を5~8%引き上げる。「コカ・コーラ」や茶飲料「綾鷹」、スポーツ飲料「アクエリアス」など主要商品が対象。1本120円前後と言われる出荷価格が6~10円程度上がる見込み。
昨今の砂糖やペットボトル容器に使う樹脂などの原材料の上昇を受け、「自助努力のみによるコスト増加の影響を吸収し続けることが困難」(同社)との判断がある。珍しいのは今回の値上げの対象にコンビニエンスストアが含まれていない点だ。
コンビニは自動販売機と合わせて値引せずに定価で販売できる「有力な販売網」(飲料関係者)。一方、スーパーやドラッグストアでは大量販売が見込まれるため、飲料メーカーが出荷価格を抑えたり、飲料メーカーが量販店に値引きの原資となるリベート(販売奨励金)を出して店頭では値引きされて販売される。そのため利益率も低くなる。
かねてより「コカ・コーラのボトラー(濃縮原液を仕入れ、水で薄めて容器に入れて最終製品にする業者)は儲かるビジネスモデルではない」(元ボトラー企業関係者)と言われていた。
CCBJHの21年12月期連結決算も25億円の赤字。東西のボトラーの統合前から数百人単位の希望退職を募集したり、統合後の19年、20年も人員削減を実施。子会社のキューサイもユーグレナに売却したり、財務体質の強化に動いていたが、なかなか成果が出ていなかった。
今回の値上げは薄利多売の量販店の販売網におけるテコ入れとも見られる。ただ、過去に飲料メーカーが一斉に希望小売価格を値上げしたが、店頭価格に反映されないことが多かった。
「スーパーで売られている大型ペットボトルがコンビニで販売される500ミリリットルのペットボトルと同じ140円前後で売られている」(別の関係者)ほど低価格化が常態化している。
飲料業界に一石を投じる最大手のコーラの動き。缶チューハイの領域では好調だが、飲料では苦戦が続く中、他社にも同様の動きが波及するかどうかで低価格化が進む飲料業界の方向性が決まってきそうだ。