医師不足は地方だけの問題ではない
「心筋梗塞の患者さんがいるのですぐに送ります」
地域間での病院連携が進む北海道の某市立病院。年々、過疎化が進むこの地域では循環器の専門医が足りなくなっており、近くのクリニックからこのような電話がよくかかってくる。
『日本最大の小売業』イオン社長を直撃! 小売業が健康づくりにかかわる時代に
こんな時、医師が取り出したのは1台のタブレット端末。患者が救急車で病院に送り込まれてくる前に、クリニックからエコー図や心電図を送ってもらい、市立病院の救急科や循環器内科につないでもらう。
人口密度が低い地域は、急性心筋梗塞の死亡率が高いとされる。タブレットを見た医師は、その画像から適切なアドバイスをしたりして、緊急対応し、その患者を助けることができた。
このように、遠隔地にいる専門医と救急現場の医師をつなぎ、緊急手術などの際に、即座に病院外の専門医に相談することができるコミュニケーションアプリ『Caseline(ケースライン)』の開発などを手掛けるのが、ハート・オーガナイゼーションである。
「今後の日本にとって、専門医をどうやって地域でシェアするのか。都心部に住む人が受けている医療を日本、そして世界中どこにいても受けられるようにするにはどうしたらよいのかというのは大きな課題。ICT(情報通信技術)の力を活用して医療の格差がなくなるのであれば素晴らしいことだと思う」
ハート・オーガナイゼーション社長の菅原俊子氏はこう語る。
病院内で使われている様々な医療画像を動画でリアルタイムに共有しながら、場所にいる専門医に相談できる『Caseline』。
例えば、夜間や休日に経験の少ない医師が緊急の手術に携わる時に「これはどうしたらいいんだろう?」と思う場面が多々あるという。そういう時でも、出張先や自宅にいる上司の先生や連携先の病院の専門医に簡単につなげられることで、緊急時の連絡や相談ができるというサービスだ。
「これまでは電話で相談することが多いので、限られた情報のやり取りに留まっていた。やはり、画像を共有できることで情報量が全然違うし、アドバイスもより的確になる」(菅原氏)
現在、同サービスは画像を見ながら手術をする領域をターゲットに、循環器内科、脳神経外科、整形外科を中心にサービスを提供。今後は消化器内科、消化器外科などにも広げていきたいと考えているようだ。
続きは本誌で
「心筋梗塞の患者さんがいるのですぐに送ります」
地域間での病院連携が進む北海道の某市立病院。年々、過疎化が進むこの地域では循環器の専門医が足りなくなっており、近くのクリニックからこのような電話がよくかかってくる。
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こんな時、医師が取り出したのは1台のタブレット端末。患者が救急車で病院に送り込まれてくる前に、クリニックからエコー図や心電図を送ってもらい、市立病院の救急科や循環器内科につないでもらう。
人口密度が低い地域は、急性心筋梗塞の死亡率が高いとされる。タブレットを見た医師は、その画像から適切なアドバイスをしたりして、緊急対応し、その患者を助けることができた。
このように、遠隔地にいる専門医と救急現場の医師をつなぎ、緊急手術などの際に、即座に病院外の専門医に相談することができるコミュニケーションアプリ『Caseline(ケースライン)』の開発などを手掛けるのが、ハート・オーガナイゼーションである。
「今後の日本にとって、専門医をどうやって地域でシェアするのか。都心部に住む人が受けている医療を日本、そして世界中どこにいても受けられるようにするにはどうしたらよいのかというのは大きな課題。ICT(情報通信技術)の力を活用して医療の格差がなくなるのであれば素晴らしいことだと思う」
ハート・オーガナイゼーション社長の菅原俊子氏はこう語る。
病院内で使われている様々な医療画像を動画でリアルタイムに共有しながら、場所にいる専門医に相談できる『Caseline』。
例えば、夜間や休日に経験の少ない医師が緊急の手術に携わる時に「これはどうしたらいいんだろう?」と思う場面が多々あるという。そういう時でも、出張先や自宅にいる上司の先生や連携先の病院の専門医に簡単につなげられることで、緊急時の連絡や相談ができるというサービスだ。
「これまでは電話で相談することが多いので、限られた情報のやり取りに留まっていた。やはり、画像を共有できることで情報量が全然違うし、アドバイスもより的確になる」(菅原氏)
現在、同サービスは画像を見ながら手術をする領域をターゲットに、循環器内科、脳神経外科、整形外科を中心にサービスを提供。今後は消化器内科、消化器外科などにも広げていきたいと考えているようだ。
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