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【厚生労働省】解雇・雇い止めなど、生活困窮者の相談が急増

財界オンライン 2022年3月29日 11時30分

社会保障審議会(厚労相の諮問機関)は2022年度、市町村の支援員らが生活・就労に関する相談に応じ、一人ひとりの状況に合わせたプランを策定する「生活困窮者自立支援制度」の見直しに向けた議論を本格化させる。社会・援護局は自治体の福祉部門担当者らで構成する検討会を設けており、4月ごろに論点整理に関する報告書をまとめる方針だ。

  同局によると、同制度を活用した20年度の新規相談受付件数が約78万件に上り、約24万件だった19年度の3倍を超えた。個人事業主や解雇・雇い止めなどによる非正規雇用労働者からの相談が増えたといい、新型コロナウイルス流行による生活困窮者の増加などが要因とみられる。

 一方、2月に開かれた会議では、任意事業の「一時生活支援事業」について、実施している自治体が全体の35%にとどまるとの結果が報告された。

 同事業では巡回相談などにより、路上生活者やインターネットカフェなどの終夜営業店舗にいる住居に不安を抱えた生活困窮者に対し、自立相談支援機関と連携して一定期間、衣食住に関する支援を行っている。実施自治体数は増加傾向にあるものの、伸び率は年々減少。他の任意事業の中でも特に実施率が低くなっているという。

 同局幹部は、市町村や社会福祉協議会の職員ら支援員の成り手不足などを念頭に、「人口規模が小さい自治体ほど実施が進んでいない」と解説する。

 自治体の担当者からは「補助率が10分の10であっても任意事業では予算化が厳しく、財政当局から認められない。必須化できないか」との提案する声も出ている。

 コロナの影響で世代・属性を問わず居住に関する課題が顕在化している。先の幹部は「(成り手不足の中で)必須化するのは難しい。報告書にどこまで反映できるか」と話しつつ、事業を実施していない小規模自治体を含め、住まい支援を行うことができるような方策を、22年度にしっかり議論していく考えを強調していた。

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