しばた・こうじ
1957年鹿児島県加計呂麻島生まれ。82年東京外国語大学外国語学部卒業後、全日本空輸入社。国際畑が長く、2005年アライアンス室室長、12年執行役員欧州室長兼ロンドン支店長、13年ANAホールディングス執行役員アジア戦略部長、14年上席執行役員、17年グループ経営戦略室長兼グローバル事業開発部長、20年取締役常務執行役員、21年代表取締役専務執行役員などを経て22年4月1日より現職。
どんな回復需要にも柔軟に対応できる体制を
─ コロナ禍で航空業界が厳しい環境を迎えている中で4月1日付での社長就任です。まずは抱負を聞かせてください。
芝田 いろいろな期待をいただいていると思うのですが、私が社長に就任する最初の2022年度の業績については、何としてでも黒字化を達成することが喫緊の目標だと思っています。その黒字化を前提に、これまで蓄えてきたいろいろな備えを将来に向けた投資に振り向け、成長軌道に向けた絵姿を具現化していくことだと思っています。
ポストコロナを見据えて【ANA】が第3ブランド設立へ
─ 本業の航空事業が投資のメインになるのですか。
芝田 はい。ANAグループの収益の柱は航空ビジネスです。もともと航空ビジネスはフルサービスキャリア(FSC)のANAが担っていたわけですけれども、ここにLCC(格安航空会社)のブランドであるPeach Aviation(ピーチ・アビエーション)が加わり、さらには新たにAirJapan(エアージャパン)という(FSCとLCCの特徴を組み合わせた)ハイブリッド的なブランドを立ち上げました。
したがって、今後起きてくるコロナ禍からの回復需要の摘み取りを、この3つのブランドで図っていくことになります。私の気持ちとしては、回復してくる需要の〝総取り〟を、この3つのブランドでやっていくんだという意気込みです。
─ ポストコロナを見据えた新たな展開になりますね。
芝田 ええ。グループ内で3つのブランドが揃うことで、ANAグループとして様々なニーズに対して柔軟に対応できるようになります。ビジネス需要であれ、レジャー需要であれ、外国人のインバウンド(訪日旅行)であれ、日本人のアウトバウンド(海外旅行)であれ、それぞれの需要をくまなく取ることができるということが1つです。
そしてもう1つがコロナ禍で落ち込んだ需要の回復するスピードがビジネスなり、レジャーなり、インバウンドなり、アウトバンドなり、それぞれの領域で違ってくるだろうと見ています。ただそういった回復の違いに対しても、3つのブランドを活用できれば、それらの動きに柔軟な対応ができると思っています。
─ 2年間、経営に携わってきて、コロナ禍で得た教訓とはどんなことになりますか。
芝田 1つは苦境を乗り越えるための備えと言いましょうか、企業の体質を強化することの重要性です。筋肉質な基礎体力を持つことがとても大事なことだと思いましたね。それともう1つは、筋肉質な企業体質をつくるためには、従業員の理解や働きがなければ実現できないということです。その意味でも、従業員の共感を得ることができるように、今後も耳を傾け、目を向けていきたいと思っています。
以下、本誌にて
1957年鹿児島県加計呂麻島生まれ。82年東京外国語大学外国語学部卒業後、全日本空輸入社。国際畑が長く、2005年アライアンス室室長、12年執行役員欧州室長兼ロンドン支店長、13年ANAホールディングス執行役員アジア戦略部長、14年上席執行役員、17年グループ経営戦略室長兼グローバル事業開発部長、20年取締役常務執行役員、21年代表取締役専務執行役員などを経て22年4月1日より現職。
どんな回復需要にも柔軟に対応できる体制を
─ コロナ禍で航空業界が厳しい環境を迎えている中で4月1日付での社長就任です。まずは抱負を聞かせてください。
芝田 いろいろな期待をいただいていると思うのですが、私が社長に就任する最初の2022年度の業績については、何としてでも黒字化を達成することが喫緊の目標だと思っています。その黒字化を前提に、これまで蓄えてきたいろいろな備えを将来に向けた投資に振り向け、成長軌道に向けた絵姿を具現化していくことだと思っています。
ポストコロナを見据えて【ANA】が第3ブランド設立へ
─ 本業の航空事業が投資のメインになるのですか。
芝田 はい。ANAグループの収益の柱は航空ビジネスです。もともと航空ビジネスはフルサービスキャリア(FSC)のANAが担っていたわけですけれども、ここにLCC(格安航空会社)のブランドであるPeach Aviation(ピーチ・アビエーション)が加わり、さらには新たにAirJapan(エアージャパン)という(FSCとLCCの特徴を組み合わせた)ハイブリッド的なブランドを立ち上げました。
したがって、今後起きてくるコロナ禍からの回復需要の摘み取りを、この3つのブランドで図っていくことになります。私の気持ちとしては、回復してくる需要の〝総取り〟を、この3つのブランドでやっていくんだという意気込みです。
─ ポストコロナを見据えた新たな展開になりますね。
芝田 ええ。グループ内で3つのブランドが揃うことで、ANAグループとして様々なニーズに対して柔軟に対応できるようになります。ビジネス需要であれ、レジャー需要であれ、外国人のインバウンド(訪日旅行)であれ、日本人のアウトバウンド(海外旅行)であれ、それぞれの需要をくまなく取ることができるということが1つです。
そしてもう1つがコロナ禍で落ち込んだ需要の回復するスピードがビジネスなり、レジャーなり、インバウンドなり、アウトバンドなり、それぞれの領域で違ってくるだろうと見ています。ただそういった回復の違いに対しても、3つのブランドを活用できれば、それらの動きに柔軟な対応ができると思っています。
─ 2年間、経営に携わってきて、コロナ禍で得た教訓とはどんなことになりますか。
芝田 1つは苦境を乗り越えるための備えと言いましょうか、企業の体質を強化することの重要性です。筋肉質な基礎体力を持つことがとても大事なことだと思いましたね。それともう1つは、筋肉質な企業体質をつくるためには、従業員の理解や働きがなければ実現できないということです。その意味でも、従業員の共感を得ることができるように、今後も耳を傾け、目を向けていきたいと思っています。
以下、本誌にて