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丸和運輸機関・和佐見勝の「共に成長の輪をつくる!」(第11回)

財界オンライン 2022年5月3日 15時0分

学び続けてこそ人も企業も成長する!

「丸和運輸機関としては35年前から新卒者を採用してきましたが、入社してまず企業文化である桃太郎文化を学びます。基本は桃太郎文化です。その上で『丸和ロジスティクス大学』に入り、物流の専門知識、マネジメントやいろいろなことを学ぶ。この大学では社内で独自のカリキュラムを作り、それも常に改善・改革をして時代に合った指導をしているわけです」

丸和運輸機関・和佐見勝の「共に成長の輪をつくる!」(第10回)

 物流のマネジメントレベルは時代によって変化し、高度なものが要求される。「そういうレベルに合わせた教育をしっかりやっていく」という和佐見の人財育成法。「入社してから10年が大事」と和佐見は強調する。なぜ、10年なのか?

 入社してからの10年間で社員たちは物流現場の基礎になる部分を学ぶ。新入社員は入社してすぐ合宿に入り、『桃太郎文化』を学ぶ。通常、4泊5日の合宿研修だが、コロナ危機下では仮配属の形で実務教育を受けた。桃太郎文化は先述してきたように「桃太郎文化は相手の成長を助ける文化。桃太郎文化も自己成長も『徳積み』。それが幸福づくりの基本」(和佐見)というもの。

 桃太郎文化の底流にあるのは『報恩感謝』の気持ち。「両親をはじめ、先祖、兄弟、親戚、恩師、友人、仲間、地域の人々という『八種の人間関係』への感謝の心です」と和佐見は『報恩感謝』の根本を語る。

 最近はESG(環境、社会、ガバナンス)やSDGs(持続性のある発展のための開発目標)の重要性が叫ばれる。そしてESGやSDGsの理念を取り込む経営を目指す企業も増え、サステナビリティ(持続性)は時代のキーワードになっている。

 和佐見は桃太郎文化の中核として「相手と共に成長していく」という考えを示す。つまり、共存・共栄の考え方であり、社会や環境のサステナビリティを大事にしていこうというものである。ESGやSDGsの精神に通ずる考え方を基底に持つ桃太郎文化があってこそ、丸和運輸機関はここまで成長・発展してこられたということである。

 人は仕事の現場を通して多くを学び、自らを鍛錬していく。和佐見も現場重視の生き方を実践してきたし、社員たちにもその考え方を説く。基本的に社員は入社してすぐ現場を経験。そこで学び、営業や管理畑などに配属される。様々なことを経験し、学ぶためにとローテーションを重視し、入社して10年で最低3カ所、通常は5カ所の職場を経験する体制を敷いている。

『丸和ロジスティクス大学』に入学する資格は入社して2年目から得られる。物流に関する基礎から応用、また、リーダーや経営者としてのマネジメントスキルなど様々なことを学ぶ。「丸和ロジスティクス大学ではカリキュラムを作り、そのカリキュラムも常に改善改革をやり、時代に合った指導をしていく」。

 人は学び続けることが大事という和佐見の人材教育論である。

以下、本誌にて

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