メタバースにおけるゲーム市場の競争激化は必至
「クリエーターとユーザーが時間を共有するメタバース(仮想空間)分野での関係を深めることに興奮している」――。
ソニーグループが米ゲーム開発会社のエピックゲームズに約10億ドル(約1250億円)を追加出資する。同社会長兼社長の吉田憲一郎氏は前述のようなコメントを発表。エピックへの出資は2020年7月以来3回目。累計投資額は約14億5000万ドルに達し、エピック株の約4・9%を保有する株主となる。
ソニーは1月、米ゲーム会社のバンジーを36億ドル(約4100億円)で買収すると発表したばかりだった。吉田氏はかねて「エンターテインメントで10億人とつながりたい」と述べており、相次ぐ大型投資に執念が透ける。
メタバースで多くの消費者とのつながりを追求する狙いは、リカーリング(継続課金)ビジネスの強化にある。ソニーは従来、家庭用ゲーム機『プレイステーション』シリーズを展開してきた。だが、インターネットに接続せずに遊ぶユーザーが多い状態では、ゲームソフトが”売り切り”になってしまいがちになる。
一方、仮想空間で展開されるゲームでは、他のプレーヤーとの交流が発生する点がミソだ。同じゲームを遊ぶ人との連帯感が生じれば、長く遊んでいたくなる。ゲームに新しい機能やキャラクターなどを追加して有料で販売すれば、古参のプレーヤーも飽きがきにくくなり、長期間、お金を落としてくれる。
ただ、動画配信大手の米ネットフリックスが約半年間で3社のゲーム会社の買収を決めるなど、メタバースにおけるゲーム市場の競争激化は必至だ。ソニーグループは直近の業績が好調に推移してきたものの、ITの巨人たちとの消耗戦に陥る懸念は残る。
また、人が没入感の高い仮想空間上のゲームに興じることで現実との区別がつきにくくなるリスクも指摘されている。「子供は影響を受けやすい可能性があり、調査が必要」(アナリスト)。ソニーは巨額の投資を続けつつ、健全な市場を形成していけるかが問われる。
創業者の思いを受け継ぎ【ソニーとホンダ】がEV開発で提携
「クリエーターとユーザーが時間を共有するメタバース(仮想空間)分野での関係を深めることに興奮している」――。
ソニーグループが米ゲーム開発会社のエピックゲームズに約10億ドル(約1250億円)を追加出資する。同社会長兼社長の吉田憲一郎氏は前述のようなコメントを発表。エピックへの出資は2020年7月以来3回目。累計投資額は約14億5000万ドルに達し、エピック株の約4・9%を保有する株主となる。
ソニーは1月、米ゲーム会社のバンジーを36億ドル(約4100億円)で買収すると発表したばかりだった。吉田氏はかねて「エンターテインメントで10億人とつながりたい」と述べており、相次ぐ大型投資に執念が透ける。
メタバースで多くの消費者とのつながりを追求する狙いは、リカーリング(継続課金)ビジネスの強化にある。ソニーは従来、家庭用ゲーム機『プレイステーション』シリーズを展開してきた。だが、インターネットに接続せずに遊ぶユーザーが多い状態では、ゲームソフトが”売り切り”になってしまいがちになる。
一方、仮想空間で展開されるゲームでは、他のプレーヤーとの交流が発生する点がミソだ。同じゲームを遊ぶ人との連帯感が生じれば、長く遊んでいたくなる。ゲームに新しい機能やキャラクターなどを追加して有料で販売すれば、古参のプレーヤーも飽きがきにくくなり、長期間、お金を落としてくれる。
ただ、動画配信大手の米ネットフリックスが約半年間で3社のゲーム会社の買収を決めるなど、メタバースにおけるゲーム市場の競争激化は必至だ。ソニーグループは直近の業績が好調に推移してきたものの、ITの巨人たちとの消耗戦に陥る懸念は残る。
また、人が没入感の高い仮想空間上のゲームに興じることで現実との区別がつきにくくなるリスクも指摘されている。「子供は影響を受けやすい可能性があり、調査が必要」(アナリスト)。ソニーは巨額の投資を続けつつ、健全な市場を形成していけるかが問われる。
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