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【東急】オフィスなしの超高層ビル「東急歌舞伎町タワー」を開業へ

財界オンライン 2022年5月19日 7時0分

世界有数のターミナル駅・新宿からほど近い歌舞伎町に、噴水のような特徴的な外観の超高層タワーがそびえている。東急が2023年4月に開業予定の「東急歌舞伎町タワー」だ。

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 同タワーは映画館や劇場、ライブホールなどのエンターテインメント施設に加え、ホテル、バスターミナルなどからなる。繁華街という歌舞伎町の特徴を踏まえ、東急の再開発では珍しく、「オフィスを入れない高層タワー」(新宿プロジェクト企画開発室室長の木村知郎氏)になる。

 東急の本拠地は渋谷だが、実は新宿とも縁は深い。戦後、歌舞伎町が焼け野原から復興する際、当時の町会長が歌舞伎町に劇場や映画館、ダンスホールを建てて「道義的な繁華街」として生まれ変わらせようとしていた。そのときに助言をしたのが東急グループの事実上の創立者・五島慶太氏だった。

 五島氏は東京初の屋内スケートリンクを設立し、1956年には渋谷に「渋谷東急文化会館」が開業した同日に「新宿東急文化会館」も開業。「当時、映画館や劇場の街と言えば、日比谷や丸の内だった。そこで東急沿線の住民により近い、都心の西側にも映画館と演劇の街をつくろうとしていた」(幹部)

 その歴史を踏まえた形で登場する東急歌舞伎町タワーのコンセプトは「”好きを極める場”の創出」。エンターテインメントとホテルを融合させることで、タワー内でライブや演劇、映画を楽しみ、アーティストなどとコラボレーションした食事やグッズをホテルで購入できたりするなど、自分の好きなものに消費する世代を狙い、その先にはインバウンドの需要も見込む。

 高さ225メートルのタワーには新宿エリア最大級のキャパシティを誇る1500人収容のライブホールを筆頭に、約920席の劇場や約750席の映画館が低層階に入居する。さらには2つのブランドのホテルも入る。これらの施設は東急レクエリエーションや東急ホテルズが運営。グループの総合力を生かす形だ。

 新宿駅界隈では小田急電鉄やJR東日本なども大型の再開発を進めている。駅から歌舞伎町まで人を引っ張ることが東急歌舞伎町タワーの役割と言える

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