東京・銀座に新たな観光エリアが誕生する─。松竹は本社がある「東劇ビル」を2020年代後半にも建て替える。工事に伴い、本社の機能は近隣の東銀座エリアなどに移転することを検討。「詳細な計画はこれからだが、劇場や映画館といった東銀座ならではの機能は残していきたい」と同社関係者は語る。
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東劇ビルは歌舞伎などを上演し、松竹の興行の中心地だった「東京劇場(1930年開業)」の跡地に立つ。現在は地下3階、地上19階、高さ85.5メートルを誇る商業ビルだが、映画館などをはじめ、オフィステナントも誘致している。ただ、75年の竣工から50年近くが経過したことで老朽化が進んでいた。
東銀座周辺には松竹が運営する日本で唯一の歌舞伎専門の劇場「歌舞伎座」や「新橋演舞場」など歴史と伝統を感じさせる施設が集まっている。一方で、13年には歌舞伎座の背面にオフィスタワーの「歌舞伎座タワー」が竣工するなど、近代的なビルが建っている。
そんな東銀座周辺では地下鉄新線の構想もある。銀座から築地などを経由して有明方面までを結ぶ「都心・臨海地下鉄」構想だ。その構想を含めて、周辺の企業や町会などの協議会が発足するなど再開発の機運が高まっている。
銀座と言えば、高級ブランドの専門店が建ち並ぶ一方、オフィス街としての側面も持つ。そこに東銀座が持つ伝統・芸能が加わることで、銀座としての付加価値は高まることになる。
再開発では数多くの地権者の意見をまとめる必要がある。東銀座の魅力をどこまで共有して新たな価値として発信できるか。松竹を含めた地元の地権者とのベクトル合わせが肝となる。
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銀座と言えば、高級ブランドの専門店が建ち並ぶ一方、オフィス街としての側面も持つ。そこに東銀座が持つ伝統・芸能が加わることで、銀座としての付加価値は高まることになる。
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