農林水産省の枝元真徹事務次官(1984年入省)が退任し、後任に横山紳官房長(86年入省)が就任した。
「誰もが認める次官適任者」(自民党農林族重鎮)とされる横山氏は、ロシアによるウクライナ侵攻で脆弱(ぜいじゃく)性が明らかとなった日本の食料安全保障の強化に取り組む。
横山氏は秘書課長、官房総括審議官(国際)、経営局長などを経て2020年8月官房長に就いた。次官候補者の登竜門とも言うべき官房長など、いわゆる「王道ポスト」を歩んできた。
燃料価格の高騰やウクライナ侵攻に伴い食品価格の値上がりが続き、供給不安がくすぶる中、農水省の最重要課題は食料安全保障の強化に向けた政策の抜本的な見直しだ。
日本の食料自給率(20年度)はカロリーベースで37%と先進国の中でも最低水準にあり、多くの食料を輸入に頼っているのが現状。国内生産力の強化に向けた「食料安全保障予算」の確保に加え、紛争や気候変動のリスクなどを踏まえた食品や肥料の調達先の多角化、関連する法律の見直しも含めた対応など、対処すべき課題は多岐にわたり、横山氏の手腕が問われている。
横山氏の後任の官房長には、渡辺毅水産庁漁政部長(88年入省)が就任。官房長は自民党農林族議員らに様々な政策の根回しを行い、次官を補佐する。
消費者庁長官に昇格した新井ゆたか農林水産審議官(87年入省)の後任には、小川良介消費・安全局長(同)が就いた。
小川氏は消費・安全局での勤務が長く、食品の安全に関する分野に省内で最も精通している。農林水産審議官として、2011年3月の東京電力福島第1原子力発電所事故を受けて、被災地産食品の輸入規制を導入する中国や台湾、韓国などに対して撤廃の働き掛けを強めていく考えだ。
この他の人事では、横山氏と同期で次官候補だった天羽隆林野庁長官は退任し、後任に織田央林野庁次長(88年)が就任した。
【政界】動き出す自民党の首相経験者たち 見据えるのは参院選後の内閣改造
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横山氏は秘書課長、官房総括審議官(国際)、経営局長などを経て2020年8月官房長に就いた。次官候補者の登竜門とも言うべき官房長など、いわゆる「王道ポスト」を歩んできた。
燃料価格の高騰やウクライナ侵攻に伴い食品価格の値上がりが続き、供給不安がくすぶる中、農水省の最重要課題は食料安全保障の強化に向けた政策の抜本的な見直しだ。
日本の食料自給率(20年度)はカロリーベースで37%と先進国の中でも最低水準にあり、多くの食料を輸入に頼っているのが現状。国内生産力の強化に向けた「食料安全保障予算」の確保に加え、紛争や気候変動のリスクなどを踏まえた食品や肥料の調達先の多角化、関連する法律の見直しも含めた対応など、対処すべき課題は多岐にわたり、横山氏の手腕が問われている。
横山氏の後任の官房長には、渡辺毅水産庁漁政部長(88年入省)が就任。官房長は自民党農林族議員らに様々な政策の根回しを行い、次官を補佐する。
消費者庁長官に昇格した新井ゆたか農林水産審議官(87年入省)の後任には、小川良介消費・安全局長(同)が就いた。
小川氏は消費・安全局での勤務が長く、食品の安全に関する分野に省内で最も精通している。農林水産審議官として、2011年3月の東京電力福島第1原子力発電所事故を受けて、被災地産食品の輸入規制を導入する中国や台湾、韓国などに対して撤廃の働き掛けを強めていく考えだ。
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