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【財務省】鈴木俊一大臣が留任、財政再建は綱渡り続く

財界オンライン 2022年8月19日 18時0分

内閣府が7月29日に政府の経済財政諮問会議に提出した中長期の経済財政試算では、国と地方を合わせた基礎的財政収支(PB)の黒字化目標は、名目3%程度の高い成長が続けば2026年度に達成すると試算した。税収の上振れ予想を踏まえ、25年度の赤字幅も前回試算の1兆2000億円から5000億円に縮小した。

 ただ、低成長が続く「ベースラインケース」の試算は、名目成長率を下方修正したため、赤字幅は拡大しており、財政再建への道のりは綱渡りが続きそうだ。

 鈴木俊一財務相は8月5日の閣議後会見で、国が直面する課題への対応に向け「健全な財政が不可欠と考える。財政は国の礎だ」とした上で「引き続き責任ある経済財政運営を進めることが重要だ」と強調。「財政健全化の旗を降ろさず、目標に取り組む」とも語った。

だが、今後編成作業が本格化する23年度当初予算は、鈴木氏が「難しい編成となると覚悟している」と言及したように例年以上に政府・与党内の調整が難航する公算が大きい。

 防衛費の大幅増に伴う財源確保に加え、感染が続く新型コロナウイルスへの対応など歳出増を求める声が自民、公明両党で高まっている。

 財政運営をめぐっては財政支出のあり方で先の参院選前に党内で主張が二分しており、積極的な財政支出を主張する保守系議員からの突き上げが強まるなど、財政議論は政局の火種となりかねない。まさに「歳出の中身を精査し、必要な財源を確保するなどしっかりとした対応」(鈴木氏)を財務省が主導できるかどうかが問われる。

 8月10日の内閣改造で、鈴木氏は留任となった。鈴木氏の留任で麻生太郎自民副総裁率いる麻生派所属の重鎮としてのメンツを保った形だが、厳しい財政運営を乗りきれるかどうか。

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