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【農林水産省】農林水産物・食品の輸出額 上期として過去最高を記録

財界オンライン 2022年8月22日 18時0分

今年1-6月(上期)の農林水産物・食品の輸出額は前年同期比13.1%増の6525億円に上り、上期として過去最高を記録した。現在の勢いを維持すれば、年間輸出額は1兆5000億円に膨らみ、25年に年間2兆円に増やす目標に大きく近づきそうだ。

 米国の金融引き締めに伴う円安に加え、小売店などでの新たな販路開拓、新型コロナ禍で打撃を受けた外食需要が米中を中心に回復したこと奏功し、輸出額を押し上げた。

 分野別の内訳では、農産物が7.9%増の4050億円、水産物が31.5%増の1802億円、林産物が11%増の312億円にそれぞれ拡大。インターネット通販で購入された20万円以下の少額貨物は1.6%減の361億円だった。

 主力品の輸出額は、米国での消費が伸びたため、ホタテが387億円、ブリが209億円とそれぞれ6割増。ウイスキーは台湾や欧州で評価が高く、12.9%増の293億円と堅調を維持した。小売店に販路が広がった日本酒は33.7%増の233億円に膨らみ、日本食人気が根強いことがうかがえる。

 一方、サバは不漁が響き25.7%減の112億円と急ブレーキがかかった。輸出のけん引役である牛肉は主要な出荷先である米国向けが減少し、5.2%減の213億円と低調だった。米国が導入する輸入牛肉の低関税枠が年初からわずか3カ月で消化したことが理由だ。

 日本やブラジルなど複数国が対象の低関税枠は年間6万5005㌧を上限に、関税を1㌔当たり4.4セント(5.9円)に設定している。枠を超えると26.4%の高関税がかかるため、輸出拡大に足かせとなる。

 枠の利用は「早い者勝ち」で、ブラジル産が枠の9割を消化した。日本政府は和牛の輸出振興の妨げになっているとして、米側に制度の見直しも念頭に要請を実施。ただ、事務作業が増えるため、米国は制度変更に前向きでないとされる。

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