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「仕入れ先の負担を一旦受け止める」部品会社との共生路線で対応する【トヨタ】

財界オンライン 2022年8月25日 15時0分

「足元の厳しい事業環境による仕入先の負担を当社が一旦受けとめる」─。

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 トヨタ自動車の2022年4―6月期の連結決算は増収減益となった。円安の押し上げ効果で増収となったが、利益面では鉄や貴金属などの原材料価格の高騰で減益となった。

 目下の課題は増加傾向にある仕入れ先のコスト負担をどう補うかだ。実際、トヨタグループ12社の4―6月期決算は大半が最終減益に沈んでいる。そんな中でトヨタが掲げた方針が冒頭の対策だ。他にも購入品の価格などについて事前に合意したルールを実行したり、原材料価格の上昇分は原則、トヨタが負担するというルールもある。「困りごとにも対応する」(同社)

 原材料価格高騰の勢いはもはや「天井知らず」(自動車会社幹部)だ。トヨタも5月時点で年間のコスト上昇分を1兆4500億円と見込んでいたが、僅か3カ月で見直し。2割増の1兆7000億円とした。それでも通期の営業利益2兆4000億円と年間生産台数970万台数値は、そのまま据え置いた。

「この3カ月で生産台数は当初計画比で30万台程度減少している。それでも年間生産台数を維持するトヨタからは日本のものづくりを支えようとする意志を感じる」(別の幹部)。世界生産970万台のうち国内生産は300万台。この300万台はトヨタにとって国内で技術や雇用を守る目安だ。

「今日より明日、明日より明後日と、地道な原価低減を進めて体質改善を進めていく」(副社長の近健太氏)─。コロナ禍でもトヨタは体質改善に努めてきた。リーマン・ショック時を100とすると、足元では60~70まで損益分岐台数を下げている。

 さらに、今年1―6月の世界生産台数でメガサプライヤーへの部品供給の依存度が高いフォルクスワーゲンやゼネラル・モーターズよりもトヨタが上回ったのは「サプライヤーとの密なコミュニケーション」(トヨタ幹部)があったからに他ならない。

 トヨタがコスト増に苦しむ仕入れ先に対して支援すれば、その一方で利益を圧縮することにもなる。そんなジレンマをはらむトヨタの底力が試される。

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