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【物流業界の2024年問題にも対応】安田倉庫・藤井信行社長「物量ではなく物流品質で勝負していく!」

財界オンライン 2022年8月30日 7時0分

メディカル分野で強み

 コロナ禍の約2年半、倉庫業を含めた物流業界は、まるでジェットコースターのように浮き沈みを繰り返しています。今後も予断を許しませんが、eコマースなど人々の生活を支える物流業の役割は今以上に高まっていくと考えています。

【写真で見る】安田倉庫・藤井信行社長の1日に密着!

 当社は1919年の創立以来、倉庫業を核に物流事業を首都圏から全国に展開。特に羽田空港の近隣に当社の営業所や物流センターといった拠点を複数設けており、全国各地の医療機関から発注を受けた医療機器メーカーの医療機器を、翌日には全国の医療機関に届けることができる物流体制を構築してきました。

 精密機器の物流に求められる繊細かつタイムリーな物流品質やソフトウエアも絡ませた高い付加価値の提供が評価され、今では医薬品や医療機器といったメディカル分野で強みを発揮しています。コロナ禍では検査キットや試薬など厳密な温度管理が求められる製品を迅速かつタイムリーに届けています。

 さらに最近ではOKIクロステックと業務提携し、当社の倉庫で医療機器の検査・点検・検品・薬事ラベル添付業務、洗浄・廃棄、修理などを行う医療機器に関する総合ワンストップサービスも提供しています。医療機器のメーカーや販売会社の経営効率を高めると共に、医療従事者の業務負荷を軽減していきます。

 また、物流業界では2024年から時間外労働時間の上限規制が導入されます。ドライバーの働き方を改善するためにも、当社は運送業の安田運輸に加え、子会社化した石川県を地盤とする大西運輸と長野県に拠点を持つ南信貨物自動車の3社の連携を一層深めていきたいと考
えています。



2030年のあるべき姿

 安田倉庫グループは2030年のあるべき姿を描いた「長期ビジョン2030」を策定。それを実現するため、22年度からの3年間を対象とする中期経営計画を策定しました。キーワードは「変わらず、変える。」です。顧客の困り事に耳を傾ける誠実さを変えることなく、環境の変化に対応した新たな物流・不動産ソリューションを提供していきます。

 24年度の営業収益650億円、営業利益40億円といった目標を実現するためにも、物量ではなく物流品質で世の中を支える黒子として力を発揮していきたいと思っています。

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