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【総務省】KDDIに行政指導 通信障害の検証は10月までに

財界オンライン 2022年9月8日 11時30分

内閣改造で新大臣に就任した寺田稔総務相は、7月にKDDIが起こした大規模な通信障害について、「事故原因や再発防止策について10月までに検証結果をまとめる」と表明。その上で、「国民生活の重要なインフラである携帯電話サービスの確実で安定的な供給を確保するために対応したい」と語った。

 寺田氏にとって、国民生活の基盤インフラである携帯電話の通信網の安定性確保が、通信行政分野での最初の重要課題となる。再発防止策をめぐっては、緊急時に他社の通信網に乗り入れる「ローミング」も重要なテーマで、検討会議を9月に設置する方向だ。

 総務省はこれに先立ち、大規模な通信障害を起こしたKDDIと子会社の沖縄セルラーに対し、金子恭之前総務相名で行政指導した。通信障害の行政指導を大臣名で行うのは初めて。障害を「重大な事故」と認定し、再発防止策や障害時の周知方法改善などについて11月10日までに報告するよう求めた。これまでの通信障害に対する行政指導は、通信行政を担う総合通信基盤局長名で実施するのが通例だった。

 金子氏は「これまでになく長時間で大規模だったことを極めて重く受け止めた」と指摘。異例の大臣名での行政指導とした理由を説明した。KDDIの高橋誠社長は自ら総務省を訪れ、大臣から指導の文書を直接受け取った。高橋氏は再発防止に向け「第一優先で対応していきたい」と強調した。

 総務省は行政指導の中で、両社を厳重注意とした上で、通信障害の原因となったメンテナンス作業時における事前準備の徹底や、障害に関する利用者への周知方法の改善を指示。事故を検証するための有識者会議では、障害発生時の広報に関する業界横断的なルールを策定する方針を示している。緊急時に他社の通信網に乗り入れる「ローミング」も、専門の会議で検討を進める。

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