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【財務省】23年度予算は110兆円規模 財政再建への「剣ヶ峰」に

財界オンライン 2022年9月9日 11時30分

8月10日の岸田文雄改造内閣で再任された鈴木俊一財務相は、年末にかけて作業が本格化する2023年度予算編成で手腕を発揮できるかが焦点になりそうだ。

 政権支持率が下落基調にある中、防衛費増額をめぐり、自民、公明両党との調整が難航するのは必至だ。安倍晋三元首相の国葬についても、全額国費を投じる政府方針に対する国民の反対は根強い。財政運営のトップである大臣が副大臣や政務官、職員に「難しい仕事は部下に丸投げ」(財務省幹部)で乗りきるのは容易ではないだろう。

 8月26日、政府は22年度一般予備費から2・5億円を安倍氏国葬の費用として支出することを閣議決定した。同日の閣議後会見で、鈴木氏は国葬に否定的意見がある点に関し「国民の皆さまに政府の考え方を理解していただけるよう説明することが重要だ」と述べた。

 ただ、国葬に伴う警備や海外要人への対応など、関連費用の詳細の開示については「所管の内閣府に聞いてほしい」と繰り返した。

 一方、31日に締め切られる各省の23年度予算概算要求の総額は110兆円規模となる見通し。防衛費は過去最高になるほか、社会保障費も高齢化の影響で拡大する。金額を示さない「事項要求」が目立ち、歳出の膨張圧力は例年になく強い。23年度予算編成は、財務省が財政再建への道のりを示せるかの「剣ヶ峰」(財務省主計局)ともいわれる。

 ただ、岸田内閣は「『棒読み大臣』が多い」(自民幹部)とされ、鈴木氏もその一人だ。財政運営についても「事実上の財務相は麻生氏」(財務省幹部)と言われる。防衛費に関し、政府は9月に新たな有識者会議を発足させ、国民的議論となるのは必至だろう。鈴木氏の双肩には歴代財務相に増して重責がのしかかりそうだ。

【財務省】鈴木俊一大臣が留任、財政再建は綱渡り続く

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