金融庁は2023年度の税制改正で「少額投資非課税制度(NISA)」の恒久化を要望した。「貯蓄から投資へ」の流れを一気に定着させることを目指す。
金融庁にとって恒久化は14年のNISA導入時からの「悲願」だが、これまでは「金持ち優遇」との批判が根強く、与党の税制改正論議で阻まれてきた。
ただし、今回は「資産所得倍増プラン」を看板政策に掲げる岸田文雄首相がその目玉施策として「NISAの抜本的拡充」を打ち出している。
NISAは一定の条件を満たすと、売却益や配当金などに対する金融所得課税約20%が免除される投資優遇策。現行は「一般NISA」、「つみたてNISA」、「ジュニアNISA」の3種類ある。そのうち「ジュニアNISA」は23年で制度を終えることが決まっている。
金融庁はこれまでも毎年の税制改正でNISA拡充を要望してきたが、「接ぎ木」のように内容が変更されてきたため、制度が複雑化。投資を始めた時期によって非課税枠に差が出てしまうなど、「使い勝手が悪い」(証券界)と指摘されてきた。
そこで今回、「簡素で分かりやすく、使い勝手のよい投資優遇策への刷新」を訴え、制度の恒久化や非課税期間の無期限化を求めた。
岸田首相は今年5月にロンドン・シティーで行った講演で「貯蓄から投資へのシフトを大胆・抜本的に進め、投資による資産所得倍増を実現する。そのために、NISAの抜本的拡充や、国民の預貯金を資産運用に誘導する新たな仕組みの創設など、政策を総動員する」と明言。
この方針は6月に閣議決定された「新しい資本主義実行計画」や「骨太方針2022」にも反映され、年末には「資産所得倍増プラン」の取りまとめも予定されている。「キシダノミクス」の目玉づくりを急ぐ首相の思惑にも乗じて、悲願のNISA恒久化に道筋を付けられるか。金融庁の交渉力が試される。
【財務省】鈴木俊一大臣が留任、財政再建は綱渡り続く
金融庁にとって恒久化は14年のNISA導入時からの「悲願」だが、これまでは「金持ち優遇」との批判が根強く、与党の税制改正論議で阻まれてきた。
ただし、今回は「資産所得倍増プラン」を看板政策に掲げる岸田文雄首相がその目玉施策として「NISAの抜本的拡充」を打ち出している。
NISAは一定の条件を満たすと、売却益や配当金などに対する金融所得課税約20%が免除される投資優遇策。現行は「一般NISA」、「つみたてNISA」、「ジュニアNISA」の3種類ある。そのうち「ジュニアNISA」は23年で制度を終えることが決まっている。
金融庁はこれまでも毎年の税制改正でNISA拡充を要望してきたが、「接ぎ木」のように内容が変更されてきたため、制度が複雑化。投資を始めた時期によって非課税枠に差が出てしまうなど、「使い勝手が悪い」(証券界)と指摘されてきた。
そこで今回、「簡素で分かりやすく、使い勝手のよい投資優遇策への刷新」を訴え、制度の恒久化や非課税期間の無期限化を求めた。
岸田首相は今年5月にロンドン・シティーで行った講演で「貯蓄から投資へのシフトを大胆・抜本的に進め、投資による資産所得倍増を実現する。そのために、NISAの抜本的拡充や、国民の預貯金を資産運用に誘導する新たな仕組みの創設など、政策を総動員する」と明言。
この方針は6月に閣議決定された「新しい資本主義実行計画」や「骨太方針2022」にも反映され、年末には「資産所得倍増プラン」の取りまとめも予定されている。「キシダノミクス」の目玉づくりを急ぐ首相の思惑にも乗じて、悲願のNISA恒久化に道筋を付けられるか。金融庁の交渉力が試される。
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