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三井ダイレクト損保・河村隆之社長「ネット保険でも 『人』の良さを生かし、 業界地図を塗り替える存在に」

財界オンライン 2022年9月15日 18時0分

「競争環境は厳しいが、価格先行になり過ぎていると感じる。価格一辺倒ではない価値観を求めていかないと、持続的成長につながらないと思う」

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 MS&ADインシュアランスグループの三井ダイレクト損害保険はダイレクト型損害保険の草分け的存在で、2020年には開業20周年を迎えた。

 これを機にブランドコンセプト刷新に着手、22年7月にネット型自動車保険の新商品とともに発表に漕ぎつけた。

 その過程では顧客から「特徴がないことが三井ダイレクト損保の特徴だ」という厳しい声も寄せられた。「ショックだったが、心のどこかで『さもありなん』という感覚もあった」

 その後、社内で論議するとともにローソンの「ウチカフェ」や「渋谷ヒカリエ」のレストランフロアなどのブランディングを手掛けた柴田陽子氏を招聘。

 そうして生まれたのが「強くてやさしい」というコンセプト。それを基にした新商品が「強くてやさしいクルマの保険」。

 ネット型自動車保険には『安かろう、悪かろう』、『わかりにくく、難しい』というイメージがあり、それが女性などの支持が広がらない要因と分析。

 そこで、新商品ではネットでありながら損保会社で初めての「コンシェルジュサービス」を導入。スマホの操作サポートやプランの提案などを行う。「ネットは機械的という常識を、コンシェルジュという『人』を介在させることで覆した。コストをかけてでも高品質なサービスを実現するのは経営的には大きなチャレンジだった」

 大学卒業時に損害保険会社を志望した理由を「弱い人を助ける仕事で意義があると思った」と振り返る。商品開発の仕事が長く、三井住友海上では自動車保険部長としてドライブレコーダー付き自動車保険の開発にも携わった。

 足元でシェアは約8%だが「業界の地図を塗り替えるくらいの強い志で臨む」と力を込める。先々は「グループ内では先進的取り組みをする存在、業界内では中価格、高品質で成功している会社でありたい」と話す。

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