失敗しても半年経てばチャラ
―― 今、社員は何人ぐらいいるんですか。
塚本 連結で世界約8100人(22年6月時点)、このうち国内は3千人くらいです。
―― 塚本さんから見て、伸びている人はどういう人になりますか。
塚本 やはり、責任感があって、努力する人ですよね。そういう人は周りの社員の信頼も厚いし、そういう人たちが育ってきていることが嬉しいです。
もちろん、社員に任せるからには時に失敗もあります。ですが、会社をおかしくするような失敗など、滅多にあるわけではありません。当社は敗者復活ありの会社ですから、たとえ失敗があったとしても、それを糧に皆が成長してくれているのです。
―― 敗者復活のある会社というのは、要するに、再チャレンジすることが可能だということですね。
塚本 ええ。とはいえ、信賞必罰はあるので、失敗した時は多少減俸になったりすることはありますよ。それでも、半年経てばチャラですから。
特に海外進出する時なんてリスクが沢山あるじゃないですか。ただ、出ればいいわけではなく、きちんと加賀イズムを浸透させながら、いかにして発展していくかが大事ですから。だから、一回失敗してダメだったら、当社がここまで成長することは無かったと思います。
―― 何か、塚本さんの中で社員の印象深いエピソードはありますか。
塚本 例えば、仮にM君としますけど、アメリカでモニターの修理を専門にする会社をつくったことがありました。
当時、パソコンやテレビのモニターをアメリカで販売していたのですが、日本製は品質がいいけど、他の国の製品は品質が悪くて、よく不具合が発生したんです。そこでお客様が困っているので、M君が修理専門の会社を立ち上げれば儲かるというので、やらせてみたんです。
これが最初の3年くらいは良かったんですが、4年くらい経つと、あまり儲からなくなってきた。累計で7千万円くらいの赤字になって、彼が日本に報告に来た時に大丈夫かと聞いたら自信がないというので、会社を畳むことにしました。
だから、彼は当初、ションボリしていたんですけど、わたしは英語が話せるようになったんだから良かったじゃないかと。海外で技術を学ぶこともできたということで、その後、技術部長になって頑張ってくれました。
『ビックカメラ』新社長に専務の秋保徹氏が昇格
「3・5ルール」を基本に
―― 結局、加賀イズムというのはそこですよね。思い切って社員にやらせてみると。
塚本 そうなんです。われわれは社員の提案に対して、基本的に「NO」と言ったことはありません。新しくチャレンジするにあたって計画書を出せと言っても、成功する絵作りしかしてきませんから、うちではそんな計画書もいりません。とにかく、自分で考え、人も集めて、資金繰りをやって、とにかく行動してくれと。それだけなんです。
―― それが塚本流の育成術になりますね。
塚本 ええ。ただ、もちろんルールはあります。「3・5ルール」と言って、3年で単年度の損益を黒字にするということと、5年で累積赤字解消ということを一つの目安にしています。
やはり、初めは赤字が出ても仕方ないから、3年目で期間損益をプラスにしようと。ここでプラスにならないと、ピンチヒッターを送ったり、交代することもあり得るよという条件で始めるんです。社員は自分でやりたいと言って始めるのですから、やる気になりますよね。
そうやって、いろいろなことを経験し、それを糧に人として成長してくれればいいと。やはり、当社の成長において大事なことは「人」に尽きます。
【母の教え】ミライロ社長・垣内俊哉氏
―― 今、社員は何人ぐらいいるんですか。
塚本 連結で世界約8100人(22年6月時点)、このうち国内は3千人くらいです。
―― 塚本さんから見て、伸びている人はどういう人になりますか。
塚本 やはり、責任感があって、努力する人ですよね。そういう人は周りの社員の信頼も厚いし、そういう人たちが育ってきていることが嬉しいです。
もちろん、社員に任せるからには時に失敗もあります。ですが、会社をおかしくするような失敗など、滅多にあるわけではありません。当社は敗者復活ありの会社ですから、たとえ失敗があったとしても、それを糧に皆が成長してくれているのです。
―― 敗者復活のある会社というのは、要するに、再チャレンジすることが可能だということですね。
塚本 ええ。とはいえ、信賞必罰はあるので、失敗した時は多少減俸になったりすることはありますよ。それでも、半年経てばチャラですから。
特に海外進出する時なんてリスクが沢山あるじゃないですか。ただ、出ればいいわけではなく、きちんと加賀イズムを浸透させながら、いかにして発展していくかが大事ですから。だから、一回失敗してダメだったら、当社がここまで成長することは無かったと思います。
―― 何か、塚本さんの中で社員の印象深いエピソードはありますか。
塚本 例えば、仮にM君としますけど、アメリカでモニターの修理を専門にする会社をつくったことがありました。
当時、パソコンやテレビのモニターをアメリカで販売していたのですが、日本製は品質がいいけど、他の国の製品は品質が悪くて、よく不具合が発生したんです。そこでお客様が困っているので、M君が修理専門の会社を立ち上げれば儲かるというので、やらせてみたんです。
これが最初の3年くらいは良かったんですが、4年くらい経つと、あまり儲からなくなってきた。累計で7千万円くらいの赤字になって、彼が日本に報告に来た時に大丈夫かと聞いたら自信がないというので、会社を畳むことにしました。
だから、彼は当初、ションボリしていたんですけど、わたしは英語が話せるようになったんだから良かったじゃないかと。海外で技術を学ぶこともできたということで、その後、技術部長になって頑張ってくれました。
『ビックカメラ』新社長に専務の秋保徹氏が昇格
「3・5ルール」を基本に
―― 結局、加賀イズムというのはそこですよね。思い切って社員にやらせてみると。
塚本 そうなんです。われわれは社員の提案に対して、基本的に「NO」と言ったことはありません。新しくチャレンジするにあたって計画書を出せと言っても、成功する絵作りしかしてきませんから、うちではそんな計画書もいりません。とにかく、自分で考え、人も集めて、資金繰りをやって、とにかく行動してくれと。それだけなんです。
―― それが塚本流の育成術になりますね。
塚本 ええ。ただ、もちろんルールはあります。「3・5ルール」と言って、3年で単年度の損益を黒字にするということと、5年で累積赤字解消ということを一つの目安にしています。
やはり、初めは赤字が出ても仕方ないから、3年目で期間損益をプラスにしようと。ここでプラスにならないと、ピンチヒッターを送ったり、交代することもあり得るよという条件で始めるんです。社員は自分でやりたいと言って始めるのですから、やる気になりますよね。
そうやって、いろいろなことを経験し、それを糧に人として成長してくれればいいと。やはり、当社の成長において大事なことは「人」に尽きます。
【母の教え】ミライロ社長・垣内俊哉氏