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【厚生労働省】待機児童、前年比半減 保育の受け皿拡大で

財界オンライン 2022年9月28日 11時30分

厚生労働省はこのほど、認可保育所などに入所できない待機児童数が、4月1日時点で前年比52・3%(2690人)減の2944人だったと発表した。1994年の調査開始以来、3000人を下回るのは初めて。最も多かった2017年(2万6081人)の約9分の1に激減し、4年連続で過去最少を更新した。

 同省は21~24年度の4年間で、約14万人分の保育の受け皿を整備する「新子育て安心プラン」を進めている。企業主導型などを含めた保育の受け皿は、今年4月時点で前年から約3万2000人分増え、約322万7000人分となった。さらに、少子化の加速で就学前人口が想定以上に減少。新型コロナウイルス感染拡大による利用控えも続き、待機児童の大幅減につながった。

 保育所などの利用児童数は初めて減少。出生数の減少に伴い、申込者数も約281万3000人に減少し、各地では保育所などの定員割れが発生している。このため、政府は23年度から保育所の空き定員を活用し、どの施設にも通っていない未就園児を対象に定期預かりに関するモデル事業に取り組むなど、保育所の多機能化を進める方針だ。

 地域別では、待機児童の約6割が都市部に集中し、全国1741市区町村のうち、1489市区町村(85・5%)で待機児童がゼロとなった。待機児童が100人以上いるのは鹿児島市(136人)、千葉県八千代市(119人)、兵庫県明石市(100人)の3市のみだった。

 25~44歳の女性の就業率は上昇傾向にあり、今後保育ニーズが増える可能性もある。加藤勝信厚労相は、「待機児童の解消が必要な地域については受け皿拡大を行っていく」と引き続き整備を押し進める。

 一方、定員割れが生じている地域については「保育所や保育士が持つノウハウを生かし、地域での子育て支援を含めてさまざまな機能を発揮できるように取り組む」と力を込めた。

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