「二・二六事件」の戒厳司令部も置かれて
「歴史の重みを受け止めながら、運営していきたい」と話すのは、東急不動産取締役常務執行役員都市事業ユニット長の榎戸明子氏。
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2022年9月8日、東急不動産と鹿島が事業者として取り組んできた、登録有形文化財「旧九段会館」の保存・復原プロジェクト「九段会館テラス」の開業が10月1日と発表された。
旧九段会館は1934年(昭和9年)に「軍人会館」として建造。1936年に勃発した「二・二六事件」では戒厳司令部が設置されたことでも知られる。戦後はGHQ(連合国軍総司令部)に接収されたが、1953年から日本遺族会に無償貸与され、名称を「九段会館」に変更。宿泊・結婚式場・貸しホールの事業を営んできた。
だが、11年の東日本大震災時にはホールの天井が崩落などしておよそ30人が死傷する事態となったために廃業となり、土地・建物は国に返還された。
16年には政府が歴史的価値を生かしながら高度利用する方針を決め、17年に行われた入札で東急不動産・鹿島が落札。
この「九段会館テラス」は東京メトロ九段下駅徒歩1分に位置し、保存・復原を行った保存部分と、地上17階建て、約74・9メートルの最新鋭オフィスとで構成されている。
保存部分では、現代では入手や再現が困難な90年前の職人技と素材が使われていたものを、鹿島の技術者らが可能な限り補修、復原した。
一方で、オフィス部分には最新技術を投入。国内オフィスビルで初めて導入されたスマートガラスは、センサーとAI(人工知能)で太陽の位置や天候に合わせてガラスの透過率を4段階で自動調整。また、データ連携基盤を活用して、施設内の混雑状況を検知できるようにしている。
他にも、そこで働く人のために栄養面に気を配った職域食堂や、クリニックモールを設置したり、シェアオフィスも併設している。
歴史的建造物が、職人の技と最先端のツールで新旧が融合した新たな施設として生まれ変わった。かつての社交の舞台から、事業を生み出すオフィスとして歴史を刻んでいくことになる。
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旧九段会館は1934年(昭和9年)に「軍人会館」として建造。1936年に勃発した「二・二六事件」では戒厳司令部が設置されたことでも知られる。戦後はGHQ(連合国軍総司令部)に接収されたが、1953年から日本遺族会に無償貸与され、名称を「九段会館」に変更。宿泊・結婚式場・貸しホールの事業を営んできた。
だが、11年の東日本大震災時にはホールの天井が崩落などしておよそ30人が死傷する事態となったために廃業となり、土地・建物は国に返還された。
16年には政府が歴史的価値を生かしながら高度利用する方針を決め、17年に行われた入札で東急不動産・鹿島が落札。
この「九段会館テラス」は東京メトロ九段下駅徒歩1分に位置し、保存・復原を行った保存部分と、地上17階建て、約74・9メートルの最新鋭オフィスとで構成されている。
保存部分では、現代では入手や再現が困難な90年前の職人技と素材が使われていたものを、鹿島の技術者らが可能な限り補修、復原した。
一方で、オフィス部分には最新技術を投入。国内オフィスビルで初めて導入されたスマートガラスは、センサーとAI(人工知能)で太陽の位置や天候に合わせてガラスの透過率を4段階で自動調整。また、データ連携基盤を活用して、施設内の混雑状況を検知できるようにしている。
他にも、そこで働く人のために栄養面に気を配った職域食堂や、クリニックモールを設置したり、シェアオフィスも併設している。
歴史的建造物が、職人の技と最先端のツールで新旧が融合した新たな施設として生まれ変わった。かつての社交の舞台から、事業を生み出すオフィスとして歴史を刻んでいくことになる。