我々の生活に欠かせない「トイレットペーパー」を巡って、大手が裁判で争う事態に
22年9月6日、日本製紙グループの日本製紙クレシアは、同社が権利を持つ「3倍巻きトイレットロール」(長尺トイレットロール)の特許を侵害したとして、大王製紙に対し同社製品の販売差し止めや破棄、3300万円の損害賠償を求めて東京地方裁判所に提訴した。
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日本製紙クレシアが持つ特許は、かつてのトイレットロールの「3倍」の長さを実現したもの。長さは3倍でも1ロールの大きさを、そこまで大きくすることなく、ロールの柔らかさや持ち運びやすさを維持している。1梱包あたりの個数が少なくなるため、消費者としては保管しやすいということで人気に。
トイレットペーパーはコロナ禍において店頭で品薄になる事態もあったが、それは生産できなかったからではなく「運べなかったから」(日本製紙関係者)。
一般にトイレットペーパーは単価が安く、利幅が薄い。綿密な計画を立てて生産、輸送をしなければ利益が出ないという構造がある。それがコロナ禍で物流が混乱したことで各社が計画通りに生産、輸送できなかった。
日本製紙クレシアの「3倍巻き」はこうした課題にも対応する商品。1梱包の個数を減らしながら内容量は3倍なので効率的な輸送ができる。資源量は減り、輸送時のCO2排出も減らすことができ環境にも優しい。
これまで、日本製紙クレシアの特許に抵触すると思われる他社とは話し合い、製造販売を中止してもらっていたが、大王製紙とは話し合いで見解が合わず、提訴に至った。
大王製紙はかつて、ティッシュの特許で日本製紙クレシアを訴えて敗訴した経験を持つ。業界大手の1社として退けないところだと見られる。
大王製紙は9月8日時点で「現時点で当社に訴状が届いておらず、内容を確認できていないが、特許関係は精査しており問題ないと考えている」とコメント(9月26日、大王製紙は「常に他社の知的財産権を侵害しないよう留意の上ビジネスを行っており、本件においても侵害の理由はないものと考えている」、「今後は裁判の中で当社の正当性を主張していく所存」として応訴する考えを表明)。裁判の行方が注目される。
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トイレットペーパーはコロナ禍において店頭で品薄になる事態もあったが、それは生産できなかったからではなく「運べなかったから」(日本製紙関係者)。
一般にトイレットペーパーは単価が安く、利幅が薄い。綿密な計画を立てて生産、輸送をしなければ利益が出ないという構造がある。それがコロナ禍で物流が混乱したことで各社が計画通りに生産、輸送できなかった。
日本製紙クレシアの「3倍巻き」はこうした課題にも対応する商品。1梱包の個数を減らしながら内容量は3倍なので効率的な輸送ができる。資源量は減り、輸送時のCO2排出も減らすことができ環境にも優しい。
これまで、日本製紙クレシアの特許に抵触すると思われる他社とは話し合い、製造販売を中止してもらっていたが、大王製紙とは話し合いで見解が合わず、提訴に至った。
大王製紙はかつて、ティッシュの特許で日本製紙クレシアを訴えて敗訴した経験を持つ。業界大手の1社として退けないところだと見られる。
大王製紙は9月8日時点で「現時点で当社に訴状が届いておらず、内容を確認できていないが、特許関係は精査しており問題ないと考えている」とコメント(9月26日、大王製紙は「常に他社の知的財産権を侵害しないよう留意の上ビジネスを行っており、本件においても侵害の理由はないものと考えている」、「今後は裁判の中で当社の正当性を主張していく所存」として応訴する考えを表明)。裁判の行方が注目される。