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快適な“睡眠の質”を追求 『エアウィーヴ』会長兼社長・高岡 本州

財界オンライン 2022年11月16日 7時0分

「値段が高くても高機能、高品質な商品を求めるお客様が増えている。お客様の購買行動も無駄なものにはお金を出さないが、より本質的なものをお求めになるようになったのではないか」

 浅田真央さんや坂東玉三郎さんのCMで知られる寝具メーカーのエアウィーヴ。JALの国際線ファーストクラスや石川県の有名旅館・加賀屋などで採用されていることでも有名だ。

 寝具メーカーの中で、同社は2007年から販売を開始した後発企業。柔らかい低反発マットレスが主流の時代にあって、高反発のマットレスを開発。近年は清潔さを追求した洗えるマットレスや折りたたみ可能な商品の需要が増加。機能性を重視し、寝心地ではなく、快適な”睡眠の質”を追求している。

 コロナ禍で在宅時間が増えたことで、質の良い睡眠を求める家庭が増加。2021年度まで6年連続増収。今年度も2ケタ増の約220億円の見通し。今年9月には福島・国見町で国内3カ所目となる新工場が稼働し、生産体制を強化している。

「緊急事態宣言で百貨店が休業したりして一時は大変だったが、オンラインで販売員に相談できるリモート・コンシェルジュやEC(電子商取引)サイトを拡充させることで、予想を上回る売上を伸ばすことができた」

 同社はJOC(日本オリンピック委員会)のオフィシャル寝具パートナーであり、東京2020オリンピック・パラリンピック選手村へ寝具を提供。選手一人ひとりの体形に合わせてマットレスの硬さを調整するカスタマイズ寝具も話題になった。

「寝具は実際に寝てみないと良さが分からない。だからこそ、日々の体調管理が求められるオリンピック選手に欲しいと思ってもらえるような商品をつくらないといけない。今は車も洋服も食事だって個別化している時代なのに、寝具は個別化という概念が無かった。必要は発明の母。快適で清潔な機能性寝具を開発し、新たな市場を掘り起こしていきたい」

 年内に国内の寝具販売員約400名を加賀屋に招待。社員の連帯感を高める経営が信条だ。

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